2017 Fiscal Year Research-status Report
スポーツを通じた「多文化共生」関係構築に関する社会学的研究
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15K16465
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
植田 俊 東海大学, 国際文化学部, 講師 (90734848)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 都市計画 / 権力 / 結節的機関 / コミュニティ形成の基盤 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、これまでの調査結果の整理および成果のまとめ作業を実施する計画を立て、それを中心に作業を進めた。先行研究では、エスニック・コミュニティ形成の要件として都市の「異質性」が指摘されてきたが、本研究では、なぜ都市が「異質性」を持つのか、という前提的問いについても検討を行った。結果、「異質」な人びとを結集させる機関(先行研究では、「職域」となる製造業を中心とした就労構造)としての商店(エスニック・ビジネス)や住居環境、またその配置や構造の形成を司る「都市計画」(権力の問題)のあり方が、都市の「異質性」の前提となることが明らかとなった。 エスニック・コミュニティ形成要件としての「スポーツ」は、こうして形成された基盤の上に成立する当該地独自の生活環境に規定され、移民たちに経験されていくものであった。 しかしながら、本研究で対象としてきた「豊田市」における移民集住地域の環境や構造を把握し整理することはできたが、全域の環境や構造を把握し、その特徴を比較するまでには至らなかった。都市計画は、都市全体のバランスを取りながら開発や改修が計画されていくという特徴に鑑み、今後は同市内他地域の計画(その成果も含め)と比較する作業を行う。そのために、収集したが整理が未だ叶っていない、他地域における資料のまとめを進めていく。その上で、改めてエスニック・コミュニティ成立の要件や、そのプロセスで浮上してくる「スポーツ」の布置について、再度検討を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度は、当初計画では研究成果をまとめ、公表する年次としていた。しかし、学務等によりその予定を十分に果たすことができなかった。そのため、平成30年度も同様の作業を継続して実施し、本研究の最終成果をまとめる業務を実施することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、これまでの研究成果の整理・まとめを実施する。具体的には、研究の意義を位置づける①「先行研究の検討の整理」、②「調査結果のまとめ」、③次期研究課題の検討、計画作成を行う。
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Causes of Carryover |
平成29年度、学務等で当初計画した研究成果のまとめおよび補助調査が十分に達成できなかった。そのため、平成30年度も予算計画を立て、前年度叶わなかった研究目標を達成するために「次年度使用額」を計画した。 使用目的・計画としては、研究成果をまとめるための資料整理物品、調査結果考察のための文献購入・研究論文の印刷や取り寄せ費、補助調査および学会発表のための調査旅費を計画した。
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