2016 Fiscal Year Research-status Report
戦後日本の大学スポーツの実証的研究―部活・サークル二重構造の形成と展開―
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15K16468
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
中村 哲也 高知大学, 教育研究部総合科学系地域協働教育学部門, 准教授 (10712284)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 運動部 / スポーツサークル / 競技レベルの上昇 / スポーツを通じた進学・就職 / 体罰 |
Outline of Annual Research Achievements |
H28年度の研究計画は、以下のとおりであった。①昨年度行えなかった早稲田大学の野球サークル関係者へのインタビュー調査、②昨年度から購入した運動部関係資料の読解・分析、③これまでの研究成果の公表
H28年の研究実績概要は以下の通りである。①年度当初に、研究対象となりうる3つの早稲田大学の野球サークルの関係者にアプローチして、インタビュー調査への協力依頼を行った。しかし、すべての団体の関係者から調査に協力をいただく旨の返答をいただくことはできなかった。そのため、早稲田大学の野球サークルを対象としたインタビュー調査を断念した。②昨年度購入した資料の読解を行い、それによって得られたデータをもとにして、分析を行った。その結果、1960年代から70年代にかけての時期における大学運動部員数の減少とスポーツサークルの団体数・会員数の増加は、スポーツの競技レベルの上昇やスポーツを通じた進学・就職の構造化、および、運動部内での厳格な上下関係の普及、運動部内での体罰の拡大等を背景として起こったことが明らかとなった。③上記②で得られた知見をもとにして、研究成果の一部を公表した。代表的な公表先は下記のとおり。 ・中村哲也「運動部における体罰の構造と対応策」(教育科学研究会編『教育』856号、2017年5月号、かもがわ出版、印刷中) ・中村哲也「スポーツと体罰の関係史~高校・大学野球を中心に~」(みんなで体罰を考えるネットワーク、2016年7月31日、龍谷大学梅田キャンパス、招待講演)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた野球サークルのインタビュー調査は、断念せざるを得ないこと事になってしまったが、それ以外については、順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに収集した資料、および、インタビューデータをもとにして論文を執筆したり、学会発表を行ったりするなど、研究成果を公表する。論文執筆・学会発表に必要な資料を収集するために、可能ならば1週間程度の資料調査を行いたいと考えている。
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Causes of Carryover |
早稲田大学の野球サークルへのインタビュー調査を断念したために、旅費に当てていた予算の支出をしなくなったために、小額の次年度使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
資料の購入、および資料調査、学会参加旅費等で支出する予定である。
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Research Products
(4 results)