2015 Fiscal Year Research-status Report
サッカー熟練者の「コツ」に基づくポゼッション技能の評価と習熟度別指導法の開発
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15K16472
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Research Institution | Biwako Seikei Sport College |
Principal Investigator |
山田 庸 びわこ成蹊スポーツ大学, スポーツ学部, 講師 (70711753)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 質的統合法(KJ法) / 項目反応理論 / 技能構造 / 困難度 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に基づき、1年目の研究が実施された。まず先行研究や各国サッカー協会指導教本などの文献をレビューし,ポゼッション戦術の観点と主要因の整理を行った日本サッカー協会(以後,JFA)指導教本によりポゼッション技能の主要因とされる「ボールを持たない選手のサポート」「ボールコントロール」「パス」を中心に,サッカー先進国であるドイツサッカー連盟監修の教本であるFUSSBALL TRAININGおよびドイツA級ライセンス資料を基にその観点を整理し,ポゼッション技能構造の特性要因図を作成した. つぎに,サッカー熟練者10名の意見集約を行い,特性要因分析的に戦術局面を分解しそれぞれの技能を記述した.まずサッカー熟練者にパスゲームを実際に実施してもらい,さらに実施したプレーを動画で振り返りながら暗黙知として記憶されている「コツ」を半構造化インタビューで引き出した.質的統合(KJ法)によって作成された特性要因図の観点を運動観察の観点とした技能評価シートを作成した。 さらに、得られた技能評価シートを用いて大学サッカー選手99名に自己評価アンケートを実施し、その得点を元に項目反応理論を用いて分析しボールポゼッション技能36項目の信頼性、困難度および識別力が検証された。 これらの成果は,The 8th World Congress on Science and Football 2015に学会発表された。また、びわこ成蹊スポーツ大学研究紀要第13号に投稿、掲載された。今後、運動観察による評価に基づく技能の難易度の検証,習熟度に応じた指導プログラムの開発を通じて、サッカー育成プログラムの発展に寄与することが期待される。.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、1年目の研究は計画に沿って概ね順調に進展している。予定していたスペイン指導者を対象とした調査は行われなかったが、ドイツライセンス取得者、Jリーグ指導経験者、日本サッカー協会S級コーチ、Jリーグへの入団が決定した熟練者へのインタビューを行い、貴重な資料収集とインタビューにより情報が集約された。計画に従い、これまでの研究で得られた知見をまとめ学会発表が行われたほか、計画に含まれなかった研究紀要への論文投稿も行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目には、運動観察法による調査が行われる。指導現場フィールドの協力が必要になるが、びわこ成蹊スポーツ大学サッカー部およびJリーグ徳島ヴォルティスアカデミーの協力を依頼している。また複数の評価者の確保については、びわこ成蹊スポーツ大学に所属する日本サッカー協会公認指導者に協力を依頼している。 1年目の研究によって、ボールポゼッション技能のなかでも能力評価に適している項目と適していない項目とに分かれる傾向が見られたため、特性を精査し周到に研究計画を再構築する必要がある。
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Causes of Carryover |
初年度に購入予定であったビデオカメラおよびHDDレコーダーを本年度で購入せず、次年度に購入するよう計画を変更したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
運動観察評価に必須であるビデオカメラ\60,000-を2台購入する予定である。他の予算執行状況を勘案し、HDDレコーダーの購入を検討する。
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Research Products
(2 results)