2018 Fiscal Year Annual Research Report
Longitudinal research of morphology and muscle strength in elite junior athletes
Project/Area Number |
15K16483
|
Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
熊川 大介 国士舘大学, 体育学部, 准教授 (40439279)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | ジュニアアスリート / トレーニング / 発育発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、エリートジュニアアスリートの筋形態と筋力を縦断的に測定することによってそれらの発育・発達傾向を男女別及び専門種目別に明らかにすることである。4年目となる平成30年度はデータ収集、分析及び学会での公表、論文投稿を主たる目的として活動を行い、概ね計画通り遂行することができた。 本年度の成果として、発育発達に伴うジュニアアスリートの筋力・筋パワーの発達と競技成績の変化との関係について分析し国際学会及び国内学会にて発表を行った。さらに、国内学会においてシンポジストとして招聘され、本年度の成果をまとめ、ジュニアアスリートが体力トレーニングを行うべき最適時期に関する報告を行った。発育発達・競技レベルに応じた体力の目標値を知るための資料や、身体発育の成熟度に応じてどのような時期に筋力・筋パワーを高めるトレーニングを開始するべきかについては、国内外問わず明確な知見が乏しい。そこで、一昨年度作成した専門競技別の発育発達曲線から競技成績を推定し、発育段階での目標パワー水準を明確にするとともに、筋力・筋パワーを高めるための最適時期を男女別に明らかにした。 主な結果としては、男女の最大無酸素パワー値(MAnP)と滑走タイムの関係における相関係数はMAnPの大小によって変動することが明らかになった。そこで、男女別に相関係数が高まるパワー水準を明らかにしたところ、男子では325W、女子は281Wを境に急激に増加した。つまり、筋パワーのような身体資源が競技能力にもたらす影響力は男子と女子で異なることが明らかになり、この水準以降では筋パワーの様な身体資源に依存して競技能力が高まることを意味するものである。本研究の成果としては、身長や体重、年齢以外の項目を用いて体力トレーニングの開始時期を示した始めての試みといえる。現在、上記の内容をまとめ、国内学会に投稿するべく執筆を行っている。
|