2017 Fiscal Year Research-status Report
ジュニアアスリートにおける身体体分節パラメーターの特徴
Project/Area Number |
15K16485
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
袴田 智子 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学部, 研究員 (90586140)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 体分節パラメーター / 人体体積 / 形態計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、子どもの体分節パラメーターについて、レーザー光を用いた三次元人体計測法から得られる、スキャンニングデータを用いて算出し、幼少期より競技スポーツを実施している子どもの形態的特徴について評価することを目的に実施した。 これまでの研究では、測定方法・分析方法について検討することを主に実施した。このような三次元スキャンデータから、体積、体分節体積、体分節質量中心位置、体分節慣性モーメントを算出する方法については、方法論が確立していない為、試行錯誤を繰り返し、参考とする先行研究(屍体切断法)の方法と乖離しないよう検討した。 本研究の精度を確かめる方法の一つとして、算出される体分節質量の総和と測定した体重値とを比較した。その結果、差は3%以内であった。差が生じる理由として、まず一つ目に、体分節の分断方法が挙げられる。全身の体積から各体分節を区分する方法については、先行研究を参考に貼り付けた解剖学的計測点を基に区分した。具体的には解剖学的計測点3点からなる面で区分をしたが、その際に、区分した部位や面の形状により、データの欠損部位が生じた。データ欠損部位については、欠損部位を補間し分析をした。データ補間の際に誤差が生じた可能性が考えられた。また二つ目に身体密度が体分節内で一様であるという仮定があげられる。体分節ごとに対応した密度値を用いて体分節質量を算出した。しかしながら、体分節内であっても、密度は一様ではない為、この算出方法が誤差が生じた一因であると考えれれる。体分節質量中心位置および慣性モーメントについて、精度を確認する方法については、未だ検討途中である。データを取得することと合わせて、本研究の精度について論じる方法についても合わせて検討したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
方法論の検討に時間を要した。特に、三次元人体計測データを取得する際に貼付するランドマーク位置、ランドマーク数等、後に算出される体分節体積に大きく影響する為、先行研究を参照し、検討を行った。また、体積測定を質量として評価する際に考慮すべき項目についても検討を行った。具体的には、肺の残気量や、密度を一定と仮定した算出の方法等である。肺残気量については、他の測定機器を用いて得られた機能的肺残気量の値を体幹部の体積から引くことで、考慮した。また、身体の体分節密度値については、先行研究による体分節ごとの密度の値を体分節体積に乗じることにより、それぞれの体分節での差については評価した。これらの方法を用い、得られた被験者群の評価について検討したい。
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Strategy for Future Research Activity |
測定されたデータの分析に時間を要しているが、方法論がある程度確立した為、得られたデータについて引き続き分析を進めたい。また、データの確からしさについて論じる必要性から、被験者数の確保についても引き続き実施していきたい。最終年度の為、できるだけ測定・分析を早めに終了させ、データのまとめ、論文作成に時間が費やせるよう計画する。
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Causes of Carryover |
方法論の確立に時間要した。被験者の募集等、計画的に実施する必要性がある。
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