2018 Fiscal Year Research-status Report
ジュニアアスリートにおける身体体分節パラメーターの特徴
Project/Area Number |
15K16485
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
袴田 智子 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学部, 研究員 (90586140)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ジュニアアスリート / 形態計測 / 体分節体積 / 体分節質量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、子どもの体分節パラメーターについて、レーザー光を用いた三次元人体計測法から得られる、スキャンニングデータを使用し算出し、幼少期より競技スポーツを実施している子どもの形態的特徴について評価することを目的に実施した。 幼少期より器械体操競技を行ってる選手を対象に、何例かこれまで測定したデータについて分析を行った。形態計測では,まず一次データとして,長育・周育の値に焦点をあて、分析した。各年齢ごとに小学生、中学生、高校生の群に分類した。解剖学的計測点に貼付したランドマーク点を基に、長育・周育について計測・分析を行った。算出された形態計測16部位は、身長・体重および年齢との相関関係について統計分析をおこなった。幼少期より体操競技を行っている群(GM群)は特に競技を行っていない群(NA)より、すべての年代において、身長・体重ともに小さい値を示した。しかしながら、胸囲は、すべての群でGMが大きい値を示した(p<0.01)。両群において,体重2/3と四肢周径囲の関係について比較すると、GMはNAより上腕囲・前腕囲は上の位置に、下腿囲は下の位置にプロットされた。これは、同じ体重であっても、GMはNAより上肢部周径囲は大きく、下肢部では小さいことが示された。またこの傾向は、比較的年齢の小さい小学生低学年群で既に見られる事が明らかとなった。これらの結果は、ジュニア期からの専門的なトレーニングが、体幹上部及び上肢部においてその違いが顕著に現れることを示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
データの取得については、前年度より引き続き実施した。横断的データと併せて縦断的データを扱うことから、より多くのデータ数を集められるよう、データ取得を行っている。また、方法論の検討については、時間をかけて実施してきた。三次元人体計測値から、各体分節ごとに区分し、体分節体積、質量、質量中心位置、慣性モーメントを算出する作業は、特に体分節ごとに区分する課程において、手作業の部分が多く、分析に時間を要している。できるだけ多くのデータを短時間で処理できるように、自動化する作業についても試みたが、精度が落ちてしまうなど、効率化をはかれなかった。区分位置や区分方法が算出結果に大きく影響することから、大幅に時間がかかるものの、手作業で行う事が最も良いように思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
データの処理方法や分析方法について、確立することができた。また本研究で得られた値の測定精度についても、確認することができた。その為、得られたデータについて、本研究で確立された方法に則り、分析を進める。分析について、早めに終了させ、データのまとめ、論文作成時間に費やす。
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Causes of Carryover |
方法論を決定する課程において、予想以上に時間がかかった事が主な理由である。解決策としてデータ処理を自動化する等を試みたが難しい状況ではある。データ分析については急務である為、引き続き、より早く処理を行えるよう、機器を揃える必要がある。
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