2016 Fiscal Year Research-status Report
眼底における動脈の血管機能の評価および血管機能に対する運動の影響
Project/Area Number |
15K16493
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
池村 司 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助手 (00735433)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 眼底血流 / 血管機能 / 運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
血流と血管機能は密接に関係し、眼底の血管機能が低下すると、眼底の血流を維持できなくなる。その結果、視覚機能に支障をきたす。運動は眼底の血管機能を改善させる可能性があり、ひいては視覚機能の改善に貢献し得る。しかし、眼底の血管機能は定量的な評価法すら確定されておらず、運動の影響を検討した研究は見当たらない。そこで本研究は1.眼底における動脈の血管機能を評価すること、および2.運動が眼底における動脈の血管機能に及ぼす影響を明らかにすることを目的とし、3つの実験計画(実験①~③)を立案した。 平成28年度は、昨年度実施した眼底にける血管機能の評価法を確立するための実験(実験①)および一過性の運動が眼底における動脈の血管機能に及ぼす影響を検討するための実験(実験②)データの解析、ならびに目標のデータ取得数に達するための追加実験を実施した。 今年度の実験実施状況が予定より進んでいたことと、平成29年度より実験環境が変化する可能性が高かったことにより、慢性の運動が網膜動脈の血管機能に及ぼす影響を検討するための実験(実験③)を前倒して実施した。本実験では運動習慣のない健常若年者を対象に10週間・週3回の30分間の自転車運動を実施し、トレーニング前後の眼底における動脈の血管機能の変化を観察した。また、トレーニング前、5週目、10週目の自転車運動前後の眼底における動脈の血管機能の変化を観察し、トレーニングが一過性の運動に対する血管機能の応答に及ぼす影響を検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度実施予定の実験に加え、来年度実施予定の実験を実施しており、計画以上に進展している。一方、来年度の実験実施に時間を費やしたため、データ解析や論文執筆は計画よりやや遅れている。したがって”おおむね順調に進展している”と自己評価する。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、引き続き実験データの解析と論文執筆を進める。
|
Causes of Carryover |
来年度の実験を前倒して実施したため、実験に要する費用の占める割合は増加し、旅費や前倒し申請分をあてて実施した。一方、学会参加や英文校正費等は予定よりかからなかったため、その分の費用を翌年度に繰り越す。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
学会参加、データ解析および論文執筆に要する費用として使用する。
|