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2015 Fiscal Year Research-status Report

女性の身体不満を誘発する要因についての包括的検証:日本・マレーシアの比較調査から

Research Project

Project/Area Number 15K16507
Research InstitutionKagawa Nutrition University

Principal Investigator

香川 雅春  女子栄養大学, 付置研究所, 准教授 (80581008)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywordsボディ・イメージ / 国際比較 / 若年女性 / やせ願望
Outline of Annual Research Achievements

本研究課題は日本の若年女性が持つ過度な身体不満とやせ願望に影響をおよぼす要因と関連するメカニズムを明らかにし、今後のヘルスプロモーション戦略に繋げることを目的としている。平成27年度は生活環境や文化的価値観の影響を把握するため、日本人と同じ黄色人種でありながら多民族社会で生活をしているマレーシアに住む中華系マレーシア人女性との国際比較を実施した。

調査の実施方法や調査に使用する尺度について国内およびマレーシアの複数の大学に所属する研究協力者とメールや来日時に意見交換し、調査票を作成した。また研究代表者が所属する教育機関およびマレーシアの研究協力者が所属する大学の倫理審査委員会から研究実施について承認を得た。

平成27年度に実施した調査で回収したアンケートのうち同意書への署名や現在の身長と体重、年齢の記入など条件を満たしていた日本人女性203部、中華系マレーシア人女性136部を対象に解析を行った。日本人女性は中華系マレーシア人女性よりやや若かった(20.3±1.1歳 vs 21.1±1.1歳; p<0.01)が、現在の身長、体重、Body Mass Index (BMI: kg/m2)に有意差は見られなかった。中華系マレーシア人女性と比べ、日本人女性は特定の宗教を持たず(p<0.01)、居住環境が異なっていた。また日本人女性は主観的健康感が高い者が多く、食事に対する関心は高いが実際の生活習慣に反映されていない状況が示された(p<0.01)。両群で現在の身体に対する評価や理想とするBMIに違いは無かったが、日本人女性は体型が恋人や結婚するうえで重要と認識しており、より高い身体不満とやせ願望が確認された(p<0.01)。また日本人女性で低い自尊感情と高いうつの発症リスクが示された(p<0.01)のに対し、中華系マレーシア人女性では食行動異常のリスクが高かった(p<0.01)。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

平成27年度から研究代表者が所属する機関における担当科目数の増加に伴う研究に費やせる時間の減少から調査準備が遅れたこと、またマレーシア側との実施する調査項目および二国間における学期期間のズレによって調査時期に遅れが生じた。またマレーシア側の代表研究協力者が所属する大学で学長の交代があり、関連する合意書や事務手続きにも遅れが生じたことも調査の遅れにつながった。これらの諸事情により調査の開始時期が遅れ、データ収集および統計処理に若干の遅れが生じている。

しかし、すでに収集したデータから日本人女性が持つ社会文化的な要因について解析作業が進められているため、この結果を踏まえて実施予定の日本人女性を対象にした詳細な調査に向けた準備がすでに始められている。

Strategy for Future Research Activity

平成28年度には、現在実施中の日本人女性とマレーシアに住む中華系マレーシア人女性に対するボディ・イメージに影響をおよぼす要因を把握するためのデータ収集と分析作業を進め、学会および論文発表の準備を進める。現在マレーシアの研究協力者らと8月頃に発表に向けた打ち合わせ作業を行う方向で調整を進めている。

また平成28年度からは日本人若年女性に焦点を当て、運動や食事などの生活習慣や身体状況、性格特性など個人が持つ詳細な内因性要素と生活環境などの外因性要素を考慮してやせ願望や歪んだボディ・イメージとの関係性を検証する研究を開始する。

本研究課題の変更点として、国内でやせ願望が最も高いとされる20-30歳を対象年齢として申請したが、アンケート調査の分析に18歳および19歳を盛り込める様にし、また今後の調査結果に一次予防的観点からの考察を加えられるよう、対象とする年齢層の変更を検討している。

Causes of Carryover

平成27年度に実施したアンケート調査において、準備したアンケートの検収をしないで配布してしまう不備があったため、アンケートの準備に掛かった経費を科研費予算から支出しなかったことから使用額が少なくなった。またマレーシアの研究協力者との意見交換から、マレーシアの研究者が調査の実施を分担する方が二か国間の学期のズレなどによるデータ収集への影響を最小限にすることができることが判明したため、研究代表者がマレーシアに渡航するのではなく、マレーシアでのデータ収集に掛かる人件費や被験者に対する謝金などの諸経費に充てることとなったことも、使用額が少なくなった理由として挙げられる。

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成27年度に支出しなかった経費は平成28年度に申請している予算と併せ、実施する調査の準備にかかる経費、被験者に支払う謝金およびデータ収集の研究補助者に対する人件費に充てることとする。また平成27年度に実施したマレーシアとの国際比較のデータの解析および発表について、マレーシアの研究者と打ち合わせを行うための渡航費の一部にも用いることを検討する。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Int'l Joint Research (1 results)

  • [Int'l Joint Research] Universiti Teknologi MARA/Universiti Putra Malaysia/Universiti Kebangsaan Malaysia(マレーシア)

    • Country Name
      MALAYSIA
    • Counterpart Institution
      Universiti Teknologi MARA/Universiti Putra Malaysia/Universiti Kebangsaan Malaysia

URL: 

Published: 2017-01-06  

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