2015 Fiscal Year Research-status Report
知的活動を取り入れた低強度運動が高齢者の認知機能および体力に及ぼす効果検証
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15K16510
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Research Institution | Osaka International University |
Principal Investigator |
新村 由恵 大阪国際大学, 人間科学部, 准教授 (60528975)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 低強度運動 / 知的活動 / 高齢者 / 認知機能 / 生活関連体力 / ヘルスプロモーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,低体力者でも実施可能な「低強度運動に知的活動を取り入れたプログラム」が, 認知機能ならびに身体機能に及ぼす効果について検証することを目的とし,第一課題として,平成 27 年度には「短時間における知的活動を取り入れた低強度運動介入が高齢者 の認知機能に及ぼす一過性の効果検証」のための研究を行った. 対象者は,本学近隣に在住する 65 歳 以上の高齢者17名とし,全ての対象者に対し, 「知的活動を取り入れた低強度運動」の介入,「中強度運動」の介入,「安静を保つ」の 3試技を別々の日に実施した.なお,各試技は 1 ヵ月以上期間を空けて実施した.なお,「知的活動を取り入れた低強度運動」としてはスクエアステップエクササイズを,「中強度運動」には自転車エルゴメーターを用いたペダリング運動を採用した.それぞれの運動,安静の介入時間は 30 分間とし,介入前後にストループテストを行った.このストループテストにおける反応時間は,ストループ干渉処理能力を表し,右前頭極の活動増加と有意な一致度を示すといわれている(Hyodo et al., 2012).また,各試技を行う際の運動強度を確認するために,心拍数の計測およびRPEの調査を行った. さらに,同年度中に,平成28年度に第二課題として実施を予定している「長期にわたる知的活動を取り入れた低強度運動介入プログラム」を作成し,3か月間の予備実験を実施するとともに, 「長期プログラム介入の対象者の募集」 を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では,65 歳 以上の高齢者を対象に, 「知的活動を取り入れた低強度運動」の介入,「中強度運動」の介入,「安静を保つ」の 3試技を1 ヵ月以上期間を空けて実施した.申請時の予定では平成27年度中に実験を終了する予定でいたが,研究代表者の大学における校務と対象者の予定を考慮してスケジュールを組んだため,「安静を保つ」「中強度運動」の2試技は年度内に終了したが,「知的活動を取り入れた低強度運動」試技のみ平成28年4月に終了した.
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Strategy for Future Research Activity |
平成 28 年 5 月~10 月には,第二課題として 「第 1 期 長期プログラム介入」を実施する予定である.すでに,本学近隣に在住する65 歳以上の地域在住高齢者を募集し,40名の対象者が協力を承諾してくれている.なお,プログラムに参加する対象者40名は,「知的活動を取り入れた低強度運動」としてスクエアステップエクササイズを介入するSSE 群(19名),「中強度運動」としてウォーキングを介入するW 群(21名)に無作為に分類した.SSE群,W群においては,主運動(60 分)に加え,準備運動(15 分)および整理運動(15 分)としてストレッチ運動を取り入 れる.指導者による集団トレーニングは1.5 時間/回,4 回/月,6 ヵ月間の計 36 時間実施する予定である.さらに,運動の習慣化を定着させるため,集団トレーニングの中で自宅での運動実施を促すとともに,実施状況を運動日誌により調査する.運動強度は,SSE 群では RPE(主観的運動強度) 8「非常 に楽である」~12「やや楽である」とし,W 群では RPE12「やや楽である」~RPE16「きつい」 に設定し,対象者の状況に応じて徐々に強度や難易度を高めていく. なお,本研究で予定している,運動介入を行わないControl 群(20 名)は,介入を行う上記2群との接触を避けるため,異なる時期に募集をかける予定である.また,Control 群には,本研究終了後に健康支援に向けた運動を紹介するといった,倫理的配慮を行なう.
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Causes of Carryover |
平成27年度中に実験を終了する予定でいたが,研究代表者の大学における校務と対象者の予定を考慮してスケジュールを組んだため,「安静を保つ」「中強度運動」の2試技は年度内に終了したが,「知的活動を取り入れた低強度運動」試技のみ平成28年4月に行った.そのため,研究対象者への謝金および実験時の保険,研究協力者への実験補助者金の支払いを次年度に繰り越したため,平成27年度使用額が予定よりも少ない金額となっている.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度内に測定ができなかった「知的活動を取り入れた低強度運動」試技を平成28年4月以降に行い,前年度に使用しなかった金額を,研究対象者への謝金および実験時の保険,研究協力者への実験補助者金の支払いに使用する予定である.
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