2015 Fiscal Year Research-status Report
動脈硬化度を低下させる食事改善法の検討:ペントラキシン3に着目して
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15K16519
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Research Institution | Ryutsu Keizai University |
Principal Investigator |
膳法 亜沙子 流通経済大学, スポーツ健康科学部, 講師 (50734141)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 肥満 / 生活習慣 / 食事バランス / 動脈硬化度 / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、生活習慣改善による動脈硬化度の低下を鋭敏に反映する血中指標としてPTX3に着目し、食習慣がPTX3に与える影響について明らかにすることを目的としている。本研究は、横断研究と介入研究を用いた食習慣改善を行うことで血中PTX3濃度が増加することを示す予定である。このことが明らかにできれば、心疾患リスクを軽減するのに効果的な食生活改善法の一部を確立できるとともに、食習慣改善が予防医学的に価値があることを示す重要な知見となる可能性がある。また本研究は、社会問題となっている肥満の増加や加齢にともなう心疾患の予防法の簡便なモニター指標としてPTX3を確立し、医療費の削減にも大きく貢献することが期待できるため大変意義があると考えられる。 本研究の目的を達成するために2つの課題を設定した。 すなわち、食習慣が血中PTX3濃度に与える影響を明らかにするために①日常的な食生活における栄養素と血中PTX3濃度の関連性について横断的に検討し、②食習慣の改善が血中PTX3濃度に与える影響について介入研究により縦断的に明らかにする2つの課題を設定した。 特に平成27年度は、設定した2つの課題のうち、予定通り①に関する測定調査を実施した。その内容は、地域在住の成人を対象として、食事調査を行うとともに血中PTX3濃度および動脈硬化度を測定した。予定では、およそ300名を対象としてこれらの測定を行う予定であったが、実際には400名以上のデータを収集することができた。 また、2つ目の課題である介入研究の予備的検討も実施することができた。内容としては、成人肥満男性6名における12週間の減量を目標とする食事改善指導を行い、体重、動脈硬化度の測定および血液サンプルの採取を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画段階で平成27年度に予定していた横断研究の測定調査を予定通り実施したが、予定していたサンプル数(約300名分)よりも多くのデータ(400名以上分)を収集することができた。さらに、次年度以降に予定していた介入研究の予備的検討を行い、データを収集することができたため、現在までの進捗状況は、おおむね順調かつ当初の計画以上に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、計画通り、1つ目の課題である横断的な測定調査データの解析を行うとともに課題2の介入研究に取り組む予定である。 横断研究は、採取した血液サンプルを用いて血中PTX3濃度の測定分析を行った上で身体的特性データおよび動脈硬化度、食事調査の結果をふまえてデータをまとめる予定である。なお、まとめたデータは、随時、関連学会大会や原著論文などに公表する予定である。 介入研究は、平成27年度に実施した肥満者における12週間の減量を目標とした食事改善指導を人数を増やして行う予定である(Miyaki et al. Angiology 2009; Miyaki et al. Artery Res 2012)。この12週間の食事改善指導前後において、血中PTX3濃度および動脈硬化度(脈波伝播速度)を測定評価し、データを分析した上で横断研究と同様にまとめたデータを随時、関連学会大会や原著論文などに公表する予定である。
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Research Products
(14 results)