2017 Fiscal Year Research-status Report
動脈硬化度を低下させる食事改善法の検討:ペントラキシン3に着目して
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15K16519
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Research Institution | Ryutsu Keizai University |
Principal Investigator |
膳法 亜沙子 流通経済大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (50734141)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 介入研究 / 食事改善 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、生活習慣改善による動脈硬化度の低下を鋭敏に反映する指標としてPTX3に着目し、食習慣がPTX3に与える影響について明らかにすることを目的として計画した。この目的を達成するために2つの研究実施計画課題を予め設定した。 すなわち、食習慣が血中PTX3濃度に与える影響を明らかにするために①日常的な食生活における栄養素と血中PTX3濃度の関連性について横断的に検討し、②食習慣の改善が血中PTX3濃度に与える影響について介入研究により縦断的に明らかにするための2つの研究を実施することを計画した。 事前に設定した研究計画のうち、平成30年3月(平成29年度末)までに各課題について実施した状況は次の通りである。 課題①ついて328名の男女における食事調査結果および採取した血液検体から分析したPTX3濃度データをもとに日常的な食事バランスが血中PTX3濃度に与える影響について検討を行った。また、課題②については、成人肥満者を対象とした12週間の食習慣改善指導を実施し、指導前後における身体的特性および食事記録、さらに血中PTX3濃度を分析するための食事改善前後の血液検体を67名分取得することができた。さらにこの検体についてPTX3濃度の生化学的分析(ELISA法)も実施済みである。 本研究計画の最終年度である次年度(平成30年度)は、課題①の横断研究データの解析結果を引き続き解析することに加えて、データをまとめた上で公表準備を行う予定である。一方、課題②の介入研究結果については、データ収集済みであるが、被験者特性等を加味した詳細データの確認が不十分である。データの詳細を確認し、統計解析をした上でデータをまとめて公表に向けて課題に取り組む予定である。 これまでの研究実績の進捗からすると、申請時に予定していた研究計画を研究終了までに実行することが可能である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
前年度(平成29年度)の課題の1つであった介入研究の実施について計画通り実施できただけでなく、申請時に予定していた人数よりも多くの肥満者減量データを取得することができた点は期待以上の進捗状況であると言える。 また、もう1つの課題であった横断研究データについては、さまざまな視点から日常的な食事が血中PTX3濃度におよぼす影響について検討を進めることができた。 以上の点から当初の計画以上に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の各課題の研究推進方策は、下記の通りである。 課題①横断研究についてデータ分析可能な328名の男女における食事調査結果および採取した血液検体から分析したPTX3濃度データをもとに日常的な食事バランスが血中PTX3濃度に与える影響についての検討を実施している過程にある。本年度は、この横断研究データの解析結果を公表に向けて準備を行う。 また、課題②については、成人肥満者を対象とした12週間の食習慣改善指導を実施し、指導前後における身体的特性および食事記録を取得し、血中PTX3濃度を分析するための血液検体67名分を取得した。さらに、67名分の血中PTX3濃度分析もELISA法にてすでに実施済みである。しかし、食事改善前後にデータ不備が合った者や介入中の投薬治療開始/中止の有無、男女、減量程度の違いなど食事改善以外でPTX3濃度に影響を与える条件について個人差があることから、これらの被験者特性を考慮した上での解析を実施する必要がある。すなわち、全データを解析に使用できるか等、詳細な検討はこれから実施する予定である。よって、今年度は、食事改善前後のPTX3濃度の変化について詳細な解析を進める予定である。 このように課題①②ともにデータ準備が整った時点で随時、関連学会大会や原著論文として結果を公表する予定である。
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Research Products
(10 results)