2016 Fiscal Year Research-status Report
注意分散の加齢的変化における視覚情報処理モデルの構築
Project/Area Number |
15K16520
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
池田 拓郎 国際医療福祉大学, 福岡保健医療学部, 講師 (20611792)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 注意分散 / 視覚誘発電位 / 初期視覚情報処理 / γ帯域律動波 / 暗算 |
Outline of Annual Research Achievements |
視覚情報への注意は、脳内の情報処理に影響を及ぼすとされている。しかし、一点を注視した状態で別の課題を負荷することが、初期の視覚情報処理へ影響を及ぼすかどうかの報告は少ない。また、加齢による脳内基盤もわかっていない。本研究では、注意分散に伴う初期視覚情報処理ネットワークの時間的・構造的機能連関を健常な若年者と高齢者に分けて検討することを目的とする。 H28年度は、健常成人10名(22.5歳、男性5名、女性5名)に対して1Hzおよび4Hzの視覚刺激の提示しながら、固視点の注視と同時に暗算をした時の視覚誘発電位(VEP:Visual Evoked Potential;VEPs)を記録し、電気生理学的に検討した。解析として、1Hz-VEPsは主成分であるP100の潜時と振幅を、4Hz-VEPsでは原波形を高速フーリエ変換させ、パワースペクトラムを算出した。また、律動する高周波γ帯域律動波の頭皮上空間分布を1Hz-VEPsと4Hz-VEPsともに検討した。結果、1Hz-VEPsでは後頭部で得られたP100の潜時が暗算によって有意に遅延したが、振幅は変化しなかった。また、4Hz-VEPsでは後頭部におけるパワースペクトラム波形の第2調和成分の振幅が暗算によって有意に上昇した。高周波γ帯域律動波の頭皮上分布は、1Hz-VEPsと4Hz-VEPsともに暗算によって後頭部で拡大を示した。 このことより、若年者における注意分散に伴う初期視覚情報処理ネットワークの時間的・構造的機能連関を確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
H28年度は若年者のデータ収集と解析に時間を要し、高齢者に至らなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
H29年度は高齢者のリクルートに力を入れ、計測および解析を行う予定としている。その後、若年者のデータと比較検討する。
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Causes of Carryover |
H28年度までは若年者のデータベースの構築が中心となり、高齢者の計測および解析が滞っていたためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
高齢者の身体機能および認知機能を評価する機器および実験室外で計測するための機器整備を行う予定としている。また、成果報告として、国内外での学会発表の交通費用と投稿論文費用に使用する予定としている。
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Research Products
(3 results)