2015 Fiscal Year Research-status Report
水中環境での日常生活動作の動作・筋活動調査およびフィードバックツール開発の試み
Project/Area Number |
15K16521
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
金田 晃一 千葉工業大学, 工学部, 助教 (10534589)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 水中環境 / 日常生活動作 / 筋活動 / モーションキャプチャシステム / 慣性センサ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,日常生活動作の中でも特に椅子の立ち上がりと着座動作,及び段差昇降動作における動作及び筋活動を水中環境で計測し,陸上環境での同動作と比較することでその特徴を明らかにしていくことである.本年度は,まずはじめに実験環境を整備し,本実験に向けた実験設定を確立するため,本研究費においてモーションキャプチャシステムを購入した.また,別途片面が透明のガラス張りでできた水槽を購入し,水中環境での動作時に側面からモーションキャプチャシステムを使用して身体動作を撮影できるようにセッティングした.本年度の後半には実際にヒトを対象にした予備実験を3名の対象者を用いて実施し,モーションキャプチャシステムを用いた映像撮影,筋電センサを用いた筋活動計測,慣性センサによる運動計測を行った.対象とした身体動作は,40cm及び座位姿勢で膝関節角度が90度の状態における椅子の立ち上がりと着座動作,20cm及び40cmの台を用いた段差昇降動作であった.モーションキャプチャシステムを用いた映像撮影では足関節,膝関節,股関節,体幹の関節角度が算出できるように,つま先,くるぶし,膝関節中心,大転子,腸骨上縁,肩関節にマーカーポイントを貼り付けした.筋電センサを用いた筋活動計測では前脛骨筋,腓腹筋,大腿直筋,大腿二頭筋,腹直筋,脊柱起立筋の6筋を対象とした.慣性センサを用いた運動計測では足部,下腿部,大腿部,背中に慣性センサを貼り付けし,データを取得した.現在それぞれの取得データの解析を進めているところである.以上より,本年度においては,今後,陸上環境及び水中環境における椅子の立ち上がりと着座動作,及び段差昇降動作の各データを取得するための実験環境の整備及び実験設定を確立することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では,本年度の前半に実験環境の整備・実験設定の確立のための予備実験などを行う予定であったが,モーションキャプチャシステム及び実験用水槽の納品が遅れたため,本年度の後半に予備実験を行うことになった.また,当初は実験を環境温度がコントロールできる実験室で行うように予定していたが,水槽への入水時における全体重量に対する床面の耐荷重の問題が生じ,実験場所そのものを温度コントロールの効かない施設へ移動せざるをえなかった.そのため,予備実験を行った11月以降は環境温度が低い冬場に入ってしまい,本年度は最終的に3名の対象者を用いて予備実験を行うにとどまり,当初予定していた本実験へと進めることができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
今後,気温が25度前後になってくる6月以降に実験を再開し,設定を再確認後に本実験へと入っていく予定である.H28年度においてはH27年度に行った予備実験を元に,できるだけ多くの対象者を用いて本実験を行い,多くのデータを取得することが目的である.実験施設の都合上,6月から11月までが実験期間となるため,期間は限られているがその間にできるだけ多くの対象者のデータを取得したい.
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Causes of Carryover |
物品購入及び謝金等の支払い後の残額では特に使用できるものがなかったため,そのまま残金として残した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の主な目的はできるだけ多くの対象者で実験を行うことであるため,実験対象者及び実験補助者の謝金,実験用消耗品費などの一部として使用する予定である.
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