2016 Fiscal Year Research-status Report
水中環境での日常生活動作の動作・筋活動調査およびフィードバックツール開発の試み
Project/Area Number |
15K16521
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
金田 晃一 千葉工業大学, 先進工学部, 准教授 (10534589)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 水中環境 / 陸上環境 / モーションキャプチャー / 筋活動 / 慣性センサ / 日常生活動作 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年度は,2015年度に設定した水中環境および陸上環境での椅子立ち上がりおよび着座動作,段差昇降動作の測定環境を用いて,8月から11月にかけて延べ23名を対象に本実験を実施した.測定した項目は,モーションキャプチャーシステムを用いた身体動作(矢状面の2次元),下腿,大腿,体幹の合計6箇所の骨格筋における表面筋電図を用いた筋活動,そして,体幹,大腿,下腿,足に取り付けた慣性センサを用いた3軸の加速度および3軸の角速度であった.全ての測定項目は,モーションキャプチャーシステムの映像収録開始を基準としてシンクロさせ,計測を開始した.対象者によって,水中環境からそれぞれの動作測定を始めるもの,陸上環境からそれぞれの動作測定を始めるものをランダムに設定し,実験を行った.本実験が全て終了した後,モーションキャプチャーシステムで計測された身体各部位のLEDマーカーの同定処理を行い,フィルター処理を施した後に足関節,膝関節,股関節の角度変化および体幹と大腿部における鉛直方向とのなす角,さらには体幹と大腿部における角速度を算出し,それぞれのデータの抽出を行った.また,筋活動データについてはソフトウェア上でバンドパスフィルターをかけノイズを除去した後,データを抽出した.その後,まずは水中環境および陸上環境での椅子の立ち上がりおよび着座動作に関して,モーションキャプチャーシステムで得られた各関節角度のデータから,本研究で主な分析対象とする局面についての切り出し作業を行った.2017年度にはこれらのデータを学会で発表し,最終的には国際誌への論文投稿を目指す.また,段差昇降動作および慣性センサのデータの分析にも着手する.さらには,当初の目的である,データをフィードバックするためのソフトウェアアプリケーションの開発を目指す.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2015年度では本実験まで開始する予定であったが,実験の実施環境が原因となって本実験まで開始するには至らなかった.しかし,2016年度には実験可能な8月から11月までを利用し,当初の目的であった本実験を完了することができた.さらに,対象者は延べ23名と十分な人数を得ることができた.実験終了後は実験データの処理に時間を費やしているが,とりあえず現段階では2017年度にいくつかの学会で発表できるだけのデータ分析を進めることができた.分析については方法論がいくつも存在する当初の目的である,データをフィードバックするためのソフトウェアアプリケーションの開発を目指す.際限がないが,引き続き慣性センサの分析についても進めていく.また,2016年度に本実験が終了できたため,2017年度には当初の目的であった,データをフィードバックするためのソフトウェアアプリケーションの開発に着手することができる.よって,2016年度については2015年度の遅れを取り戻すことができ,当初の予定通りの進展状況になっていると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度には,2016年度に取得したデータの分析を引き続き行い,椅子の立ち上がりおよび着座動作だけでなく,段差昇降動作についても水中環境および陸上環境のデータ分析を行っていく.分析方法については様々な方法が存在し,全てに着手し始めると際限がなくなってしまうため,分析方法についてはある程度過去の先行研究を元にしながら進めていくこととする.また,分析したデータについては各種学会大会にて発表を行っていく.さらに,国際学術雑誌への投稿を目標に原稿の作成を進めていく.同時に,慣性センサのデータの分析についても着手する.特に,当初の2017年度の目的であったデータをフィードバックするためのソフトウェアアプリケーションの開発に着手する.これは,データの分析をより早めることにも繋がるため,データ分析およびソフトウェアアプリケーションの開発は同時並行的に行っていく.
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