2016 Fiscal Year Research-status Report
エピジェネティクス制御からみた水素の抗炎症作用のメカニズム
Project/Area Number |
15K16525
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
Lee Hyunjin 日本医科大学, 大学院医学研究科, ポストドクター (80734441)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 活性酸素種 / 水素 / エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
水素分子(H2)は新しい概念の抗酸化物質であることが証明され、水素を用いる治療・予防のための水素医学が注目されている。水素を用いた論文が世界中から発表され、水素の生体への抗酸化作用とその他の様々な作用が確立された。水素に当初想定していた短時間の抗酸化作用だけでなく、長期間にわたり抗酸化作用を維持し、炎症制御作用、抗アレルギー代謝促進作用があることが判明した。これらの作用は、健康増進と疾病の予防に寄与することが予想される。 日本の高血圧および糖尿病の人口はそれぞれ1000万、890万人といわれ。生活習慣病は国民の病と言われている。生活習慣病とその合併病の問題は、一度罹患するともに戻すことが、難しく進行性である。こうした進行性疾患の源はエピジェネティクスの異常である。エピジェネティクスは発生・分化において必要な遺伝子を発現させ、不要な遺伝子発現は止める厳密な調節をする遺伝子は発現の変化に関わる生体現象である。エピジェネティクスは可逆性があり、決定された遺伝子発現状態が環境・ストレス・生活習慣病などの外部からの刺激や老化などの影響を受けて変化し、通常と異なる遺伝子発現状態になる。これがエピジェネティクスの異常であり、病の発病に深く関与している。 本研究の目的は、生活習慣病におけるエピジェネティクスの異常に対する水素の作用を確かめることを通じて、水素の抗作用メカニズムを解明することである。 本年度は、細胞に薬剤を処理し、エピジェネティクスの異常を引き起こす最適な実験条件に水素の効果を確かめたところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度、最適な実験条件をみつけるのに予定より時間を要したので、そのため予定より、少し遅れているが細胞のエピジェネティクスの異常における水素の効果を確認することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞のエピジェネティクスの異常における水素の効果を確認することができたので、その異常に関連する遺伝子を特定する。また、動物モデルを用いてエピジェネティクスの異常に対する水素の効果を確かめるとともに、水素以外の抗酸化物質のエピジェネティクスの異常に対する効果を確かめて比較検討する。
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Causes of Carryover |
細胞と動物モデルを用いてエピジェネティクスの異常における水素の効果を確かめることだった。しかし、エピジェネティクスの異常を誘導する実験条件を見つけることに予定より時間を要したため、細胞の実験しか進めていない。そのため購入予定の実験動物および餌などの購入を来年度に購入としたためである
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
動物モデルを用いて、エピジェネティクスの異常における水素の効果を確かめるとともに、水素以外の抗酸化物質のエピジェネティクスの異常における効果を確かめて比較検討する。そのため実験動物および餌などを購入する予定である
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