2016 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病患者および肥満者におけるアディポカインの季節差―光と運動による介入実験―
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15K16529
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 麻紀 愛知医科大学, 医学部, 講師 (60351102)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 季節性リズム / 肥満 / アディポカイン / 時計遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度においては、健康成人男性を対象として、高照度光下における運動中の血糖値および心自律神経活動を検討した。本年度においては、さらに被験者を追加し、健康成人男性および肥満男性を対象として実験を行った。夏季と冬季において、血中アディポカイン濃度 (TNF-α, IL-6, アディポネクチン)、血糖値および心自律神経活動を測定した。さらに、唾液サンプル中に含まれる口腔内上皮細胞を用いて、時計遺伝子(Clock, Bmal1, Per1, Cry2, Rev-erb-α)の発現を分析した。 血中TNF-α濃度と血中IL-6濃度は、肥満者および非肥満者において有意差は見られなかったが、血中アディポネクチン濃度は肥満者で有意に高い値となった。しかし、夏季と冬季においては、両群ともに有意差は見られなかった。 時計遺伝子の発現は、Bmal1、Per1、Cry2の発現が、夏季に比べ冬季において有意に低い値となった。さらに、Bmal1とPer1の発現においては、肥満者は非肥満者と比較して、有意に低下する結果となった。 これらの結果から、肥満者においては時計遺伝子の発現が低下しており、特に冬季でさらに低下することが示された。成果は、学会において発表した。さらに成果を論文として発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
被験者の年齢を50~60代から若年男性に変更して、実験を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
夏季と冬季における高照度環境下における運動中の血糖値の変動と心自律神経活動の変動を分析する。さらに、他の時計遺伝子発現を検討し、分析を行う。これらの成果を学会および論文として発表する。
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Causes of Carryover |
時計遺伝子の測定方法を一部変更して、実験を行った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
他の時計遺伝子発現を検討し、分析を行う。
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