2015 Fiscal Year Research-status Report
非特異的腰痛患者に対する再発予防を目的とした腰部多裂筋エクササイズの効果の検証
Project/Area Number |
15K16532
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
安彦 鉄平 京都橘大学, 健康科学部, 講師 (80708131)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 腰部多裂筋深層線維 / 筋反応時間 / 非特異的腰痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
腰痛を発症すると体幹深層筋のひとつである腰部多裂筋の横断面積の減少および筋反応時間が遅延することが報告されている.しかし,腰部多裂筋の量的・質的変化の改善が,腰痛の改善および再発予防に影響を及ぼす因子になりえるかどうかは明らかにされていない.そこで本研究は,非特異的腰痛患者に対して腰部多裂筋の量的・質的エクササイズの効果検証を目的とした. 本年度は,健常者を対象とした予備的実験および腰痛者1名を対象に腰部多裂筋深層線維と浅層線維の筋反応時間について検証した.健常者を対象とした研究では,対象を健常成人男性10名(平均年齢30.7±6.0歳)とし,測定肢位は3つの骨盤アライメント(前傾位,中間位,後傾位)と3つの足圧中心の位置(最大前方,中間,最大後方)を組み合わせた9つの立位姿勢とした.測定は筋電図を用い,聴覚刺激に反応し,できるだけ素早く上肢を屈曲させたときの腰部多裂筋と三角筋前部線維の筋活動を測定した.腰部多裂筋深層線維および浅層線維はワイヤ筋電図,三角筋前部線維は表面筋電図を用いた.筋反応時間は,三角筋の筋活動開始時間との差とした.その結果,腰部多裂筋深層線維の筋反応時間は骨盤後傾位あるいは足圧中心最大後方に対し,骨盤前傾位あるいは足圧中心最大前方で早期に活動した.以上のことから,腰部多裂筋深層線維の筋反応時間は,立位姿勢によって変化することが示唆された. 腰痛者1名を対象とした研究では,腰部多裂筋深層線維の筋反応時間は安静立位時の足圧中心と比較し足圧中心前方位で筋反応時間が早期化することを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,健常成人を対象とした腰部多裂筋深層線維の筋電図学的分析を行い,足圧中心と骨盤アライメントによって腰部多裂筋深層線維が早期化することを検証し,十分な結果が得られた.さらに腰痛既往者においても同様の結果が得られたことを確認し,介入研究も開始しており,計画は順調に進行している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,腰痛者を対象とした介入を進める.ただし,対象者数が少ないため,再度リクルートを行う.
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Causes of Carryover |
備品の購入時に端数が出たため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品の購入を行う予定である.
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Research Products
(3 results)