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2016 Fiscal Year Research-status Report

認知機能の維持・改善に対する新たな運動手法の確立

Research Project

Project/Area Number 15K16535
Research InstitutionHyogo University of Health Sciences

Principal Investigator

宮本 俊朗  兵庫医療大学, リハビリテーション学部, 講師 (30709340)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords認知症 / 脳由来性神経栄養因子 / 骨格筋電気刺激 / 身体活動
Outline of Annual Research Achievements

本研究課題の目的は、認知症の予防・改善に対して有効な運動様式を明らかにすることである。近年、身体活動は認知症を予防・改善することが明らかとなっており、その中心的な役割を担っているのが脳由来性神経栄養因子(Brain-derived Neurotrophic Factor:BDNF)とされている。認知機能の改善やBDNFの発現に対する身体活動の有効性は実施強度が中等度以上でのみ認められている。しかしながら、そのような身体活動の強度は障害者や虚弱高齢者にとっては実施できないことが多い。本研究課題の目的は、身体活動強度が低くても認知症予防に有効な運動様式を構築することである。
平成27年度は健常成人男性(21.7 ± 0.6 歳)を対象として、他動的に筋収縮を誘発する骨格筋電気刺激がBDNFに及ぼす影響を検証したが、BDNFの解析が遅延したため、平成28年度にまたがって実施することとなった。BDNFの解析を実施した結果、骨格筋電気刺激(NMES)によってBDNFは有意に高い値を示した(pre-NMES: 150.5 ± 126.7 vs post-NMES: 250.5 ± 131.1 pg/mL; p < 0.05)。また、同対象者に対して、認知課題のみ、運動課題のみ、認知課題と運動課題を同時に実施する二重課題を実施し、各課題がBDNFと認知パフォーマンステストに与える影響を検証した。運動課題や二重課題など身体活動を含む課題ではBDNF濃度は有意に上昇したが(p < 0.05)、認知課題のみでは上昇せず(p > 0.05)、二重課題においては認知課題と運動課題の相乗効果は認めなかった(p > 0.05)。また、認知パフォーマンスはどの課題でも有意な変化は認めなかった(p > 0.05)。これらの研究内容については一部は学会発表済であり、論文投稿中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

計画当初はBDNFなどの認知症関連バイオマーカーの解析は京都大学に依頼することとなっていたが、研究代表者自らが解析を実施することに変更した。そのため、計画当初より、解析手法を習得するための時間と費用を要することとなったため、研究の進行に遅れが生じている。

Strategy for Future Research Activity

平成27年度には骨格筋電気刺激(NMES)がBDNFに及ぼす影響を検証した結果、NMESは比較的低強度にも関わらずBDNFを有意に上昇させたため、認知機能改善に対して、中高強度の身体活動の代替的手段となりうる可能性が示唆された。しかしながら、NMESは特別な機器を使用するため、その実施は医療機関に限定されるという問題点が残存する。そこで、平成28年度には、特別な機器を必要としない運動課題として、二重課題運動がBDNFに及ぼす影響を検証したが、二重課題はBDNFに対して相乗効果をもたらすことができなかった。平成29年度では、その他の特別な機器を使用しない運動課題として低負荷高速度運動がBDNFに与える影響を検証する予定としている。低負荷であっても、高速度で運動を実施することによって、高強度の筋収縮を必要とせずに心肺機能に負荷を与えることが可能となる。本運動課題がBDNFの発現を有意に誘発することが可能となれば、NMESと併せて中高強度の身体活動に対する代替的手段としてより多くの人々に恩恵をもたらす可能性を示唆するものと思われる。
研究計画当初、平成29年度は高齢者に対するNMESの介入研究を実施する予定であったが、近年、認知機能改善に対する介入研究期間は1年近くの報告が多いことから、NMESを用いた介入研究も1年程度の介入期間が必要であると考えられる。また、リクルートの期間や解析の時間を考慮すると更なる期間が必要であることが予想される。さらに、上記「現在までの進捗状況」での記述通り、研究計画に遅れが生じているため、当初の研究計画から変更して、平成29年度は基礎研究として、低負荷高速度運動が認知関連バイオマーカーに与える影響を検証することとしている。

Causes of Carryover

認知関連バイオマーカーの解析に遅延が生じており、BDNF以外のバイオマーカーの解析が実施できていないため、未使用額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度使用額は認知関連バイオマーカーの解析に必要な試薬等の購入費用に充当する予定である。また、次年度請求額は、主に認知関連バイオマーカー関連の試薬等の購入必要に充てるが、研究対象者の日常の身体活動量にも焦点を当てるため、身体活動量計も購入する予定としている。

  • Research Products

    (3 results)

All 2016

All Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Invited: 1 results)

  • [Presentation] 神経筋電気刺激療法は心臓リハビリテーションの補足・代替療法になり得るか?血糖コントロールに対する神経筋電気刺激療法の可能性2016

    • Author(s)
      宮本俊朗、森谷敏夫
    • Organizer
      第22回日本心臓リハビリテーション学会学術集会
    • Place of Presentation
      東京国際フォーラム(東京都千代田区)
    • Year and Date
      2016-07-16 – 2016-07-17
    • Invited
  • [Presentation] Prolonged Electrical Muscle Stimulation Increases Plasma Brain-Derived Neurotrophic Factor in Type 2 Diabetes2016

    • Author(s)
      Miyamoto T, Iwakura T, Morino T, Iwamoto M, Takenaka M, Akamatsu Y, Moritani T
    • Organizer
      21st annual Congress of the European College of Sport Science
    • Place of Presentation
      Austria Center Vienna (Vienna, Austria)
    • Year and Date
      2016-07-06 – 2016-07-09
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 継続的な骨格筋電気刺激の使用が2型糖尿病患者の糖・脂質代謝に与える影響 ランダム化クロスオーバー比較試験2016

    • Author(s)
      宮本俊朗、岩倉敏夫、森野隆弘、岩本昌子、竹中麻理子、松岡直樹、森谷敏夫
    • Organizer
      第51回日本理学療法学術大会
    • Place of Presentation
      札幌コンベンションセンター(北海道札幌市)
    • Year and Date
      2016-05-27 – 2016-05-29

URL: 

Published: 2018-01-16  

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