2016 Fiscal Year Research-status Report
ICFに基づいた障害児の生活機能に影響する環境因子の整理と情報共有サイトの構築
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15K16548
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
三上 史哲 川崎医療福祉大学, 医療福祉マネジメント学部, 講師 (80550392)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 国際生活機能分類 / 医療・福祉 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は、既存の評価票をICF-CYの形式でコード化することで、各評価票が注目している生活機能が把握可能となり、個人の特徴を把握するために必要な項目を知る方法を示した。今年度は自閉症スペクトラム障害(ASD)と診断された14歳男、12歳男、11歳男、6歳男、10歳男(それぞれの研究対象者をA、B、C、D、Eとする)の母親へ、子どもの特徴を面接調査した録音記録(5名の記録の合計152,870文字)を主な分析対象とし、ICF-CYへのコード化を行った。例えば、「集団行動がとれない」という記録はICF-CYの「d720(複雑な対人関係)」に分類される。対象の全記録から2,265件の特徴が抽出され、123種類のICF-CYコードへ分類された。分類が多かった上位3位は、e410【家族の態度】:239件(A:45、B:53、C:33、D:41、E:67)、b156【知覚機能】:176件(A:71、B:9、C:39、D:47、E:10)、d250【自分の行動の管理】:175件(A:62、B:50、C:23、D:28、E:12)であった。クラスタ分析の結果、コード件数の分布が最も類似していたのは、研究対象者CとDであった。 ICF-CYを用いてASD児の生活機能をヒストグラムで表現することにより、ASD児に必要な支援の範囲や強度の把握を促すことができる。また、対象児ごとのヒストグラムをクラスタ分析のような統計手法を用いて分類することで、特性が類似するASD児に対して共通に必要となる支援を把握できる可能性を示した。 現在、これらの分析結果を手掛かりにアンケート調査票の作成を進めている。特に環境因子の把握が可能な内容を検討している。環境因子の把握が可能となった後、それを公開するための情報共有サイトについては、環境整備が整い、コンテンツを掲載するのみの状態まで準備できている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アンケート調査票の作成を進めており、今年度にアンケート調査を実施できる予定である。 研究成果を公開するための情報共有サイトについては、環境整備が整い、コンテンツを掲載するのみの状態まで準備できているため、アンケート調査実施および分析後、その内容をすぐに掲載できるようになっている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで、ASDを対象に詳細な分析を進めてきたが、ここから得られた結果からアンケート調査票の作成を進めている。作成できたアンケート調査票を用いて、重症心身障害児や肢体不自由児、知的障害児等に必要な支援(特に環境因子)の内容を把握していく予定である。
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Causes of Carryover |
アンケート調査票を作成するための分析等に時間をかけたため、アンケート調査実施およびデータの整理、分析等に必要となる人件費を含む経費が不要となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
アンケート調査実施およびデータ整理・分析等に必要となる人件費を含む経費、学会参加による情報収集のための旅費、論文投稿料に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)