2017 Fiscal Year Research-status Report
ICFに基づいた障害児の生活機能に影響する環境因子の整理と情報共有サイトの構築
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15K16548
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
三上 史哲 川崎医療福祉大学, 医療福祉マネジメント学部, 講師 (80550392)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 国際生活機能分類 / 医療・福祉 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、ビッグデータの分析研究、とりわけWeb上のデータを収集して傾向分析を行う技術が急速に進化してきた。本研究の当初の研究計画では、各種障害がありながら生活する方の環境因子について、アンケート調査により情報収集し、分析をする予定にしていたが、本研究でもWebスクレイピング技術を用いてインターネット上から障害者やその家族が抱える困難の状況を把握するよう試みた。 2017年度は、TwitterAPI技術を活用して、2017年9月18日から2017年11月2日までの間に「自閉症」のキーワードを含むツイート情報を取得したところ、24,305件のツイートデータが取得できた。そのうち、拡散等の目的によると思われる全く同じツイート内容のデータが12,144件あったため、これらを除いた12,161件を分析対象とした。 ツイート情報の分析には、KH Coderを使用してテキストマイニングを行った。 分析結果の一例として、「学校」「高校」のような学校関連に関係するキーワードが含まれたツイート情報のみを絞り込んでネットワーク分析を行ったところ、「仕事」「適応」「職場」「難しい」「大変」などの語のまとまりや、「音」「感覚」「聴覚」「過敏」の語のまとまりが見て取れた。自身やその家族が、適応した職場を見つけることが難しいと感じていたり、進路に不安を感じていることや、一般にも広く知られ始めている感覚過敏に関連する困難があることが示唆された。一方、「得意」というキーワードを中心として、コロケーション統計をすると、「現代文」「数学」「時刻表を覚える」「工作」「かけ算」「わり算」「英語」「文字の形を覚える」などが得意である可能性が示唆された。 本研究方法で、自閉症の実態把握のためにWeb上の情報が活用できることを示すことができた考え、最終年度では、さらなる分析を進め、ICFとの連携を検討していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画によるアンケート調査での情報収集は行わないこととしたが、近年注目されるWebスクレイピング技術を用いてビックデータ解析をすることにより障害児の困難についての状況把握を進めており、この方法による成果も出ていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
Webスクレイピング技術を用いて障害児の困難な状況にかんする情報収集を行い、ICFで整理していく。収集した情報をICFで整理するために、機械学習等を用いて自動化できれば一番だが、本研究の範囲内では困難と考えられるため、手作業で進めていくことになり、一定の作業量が必要となる。ICFコード化の経験があるアルバイトを雇用するなどして対応していきたい。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画によるアンケート調査での情報収集を行わないこととしたため、アンケート実施のための必要経費が不要となった。一方で、Webスクレイピング技術を用いて大量のデータの整理をしていく予定にしているため、データ整理・分析補助要員としてアルバイトを雇用する予定である。
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