2016 Fiscal Year Research-status Report
中東におけるソフト・パワーの構築とメディアの役割に関する実証的研究
Project/Area Number |
15K16577
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
千葉 悠志 早稲田大学, イスラーム地域研究機構, 研究助手 (70748201)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 中東 / メディア / ソフト・パワー / 文化外交 / 安全保障 / 国家アイデンティティ / 国際メディア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、現代中東におけるソフト・パワーの構築に向けた各国の動きを、メディア政策と文化外交の観点から明らかにすることを目的としている。とくに本研究では、中東6か国(カタル、UAE、バハレーン、エジプト、ヨルダン、チュニジア)でのフィールドワーク(主に資料収集と関係者からの聞き取り調査)を通して、それぞれの国が進めるメディアを通じたソフト・パワーに関する政策を広く論じるとともに、それが各国の国家アイデンティティや安全保障といった諸問題とどのように関係しているのかを解明することを目的としている。 平成28年度は、理論研究、フィールドワーク、原点研究の3つの分野で、以下のように研究を進めた。(1)理論研究については、前年度に引き続きソフト・パワーや文化外交に関する日本語・欧米語・アラビア語の書籍・論文を収集し、研究動向の把握に努めた。また湾岸諸国関連のシンポジウムや講演会で来日した研究者との交流の機会を数多く持てたことから、彼らとの意見交換をおこない、人的ネットワークの構築をおこなった。(2)フィールドワークについては、エジプト、UAE、カタル、クウェート、バハレーンへと滞在し、現地の大学や図書館での資料収集をおこなうとともに、各国に拠点を置いた主に民間放送局の関係者から聞き取り調査をおこなった。(3)原典研究については、上記のフィールドワークを通じて、中東のメディアや政治経済に関する文献・資料が多数得られたことから、それらの読解をおこなった。 以上で得られた成果を、英国ダラム大学や早稲田大学で開催された国際会議にて報告したほか、それらを論文にまとめて投稿した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フィールドワークが順調に進んだこともあり、予想以上に関連文献・資料を数多く収集することができた。また、海外の中東メディア研究者だけでなく、湾岸政治を専門とする研究者との交流機会を数多く持つことが出来たことで、次年度以降の研究に大きな進展が見込めるようになった。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き研究関連の文献・資料の収集を進めるとともに、これまでに集めた文献・資料の解読を集中的におこなう。論文の投稿や学会での報告を通じて研究成果の公開を積極的に図りたい。
|
Research Products
(9 results)