2016 Fiscal Year Research-status Report
18-19世紀の西アフリカ・ハウサランドにおけるムスリムと非ムスリムの境界
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15K16578
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
苅谷 康太 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (70634583)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | イスラーム / 西アフリカ / ハウサランド / ソコト・カリフ国 / ウスマン・ダン・フォディオ / ウスマーン・ブン・フーディー / ムハンマド・ベッロ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、平成27年度にナイジェリアのカドゥーナにおける調査で蒐集・渉猟したアラビア語及びハウサ語資料の分析と、それに基づく研究成果の公開に注力した。研究成果の公開に関して具体的に述べると、日本アフリカ学会誌『アフリカ研究』89号に「19世紀初頭の西アフリカにおける不信仰者の分類と奴隷化:ウスマーン・ブン・フーディーの著作の分析から」を、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所発行の『アジア・アフリカ言語文化研究』(Journal of Asian and African Studies)に“The “Ignorant People” in Hausaland: ‘Uthman bn Fudi's Hukm juhhal balad Hawsa”を発表した。いずれも査読付きの学術雑誌である。また、日本アフリカ学会第53回学術大会において、「初期ソコト・カリフ国における背教既定の確立」と題した口頭発表も行った。そして、この口頭発表の内容を大幅に増補してまとめた論文を『アジア・アフリカ言語文化研究』に投稿し、査読の結果、平成29年9月刊行の同誌に掲載される予定である。 平成27年度の調査で予想していた以上の資料を渉猟・蒐集できたため、平成28年度はナイジェリアでの資料調査を実施せず、それまでに蒐集・渉猟した資料の分析と研究成果の公開に力を注いだが、その結果、資料の分析に関しても、研究成果の公開に関しても、当初の計画を前倒しにして研究を進めることができている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、平成28年度終了時までに論文1本と写本校訂1本を査読付き学術雑誌に投稿する予定であったが、実際には論文2本と写本校訂1本を投稿することができ、いずれも査読を通過している。更に、平成29年度の課題としていた欧語資料群の分析にも既に着手することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に大きな変更はなく、既に蒐集・渉猟した資料の分析の進展具合を考慮しつつ、次年度以降も、ナイジェリアにおける資料調査、学会等における口頭発表、学術雑誌への論文及び写本校訂の投稿を続けていく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた最大の理由は、ナイジェリアでの資料調査を実施しなかったことである。当初計画では、平成28年度にナイジェリアで資料調査を行う予定であったが、平成27年度に同地で実施した調査で予想していた以上の資料を蒐集・渉猟できたため、平成28年度は当初計画にあった調査を行わず、それまでに蒐集・渉猟した資料の分析と研究成果の公開に力を注ぐことにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は、研究の進展状況を考慮しながら、平成29年度の物品費もしくは旅費として使用する予定である。
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Research Products
(3 results)