2018 Fiscal Year Annual Research Report
The Border between Muslim and Non-Muslim in 18th and 19th Century Hausaland
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15K16578
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
苅谷 康太 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (70634583)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | イスラーム / 西アフリカ / ハウサランド / ソコト・カリフ国 / ウスマン・ダン・フォディオ / ウスマーン・ブン・フーディー / ムハンマド・ベッロ |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度となる平成30年度は、これまでに蒐集・渉猟したアラビア語及びハウサ語資料の分析や、19世紀の旅行記を始めとした欧語資料の分析、先行研究の精読を進めると同時に、本研究の一つの到達点となる最終的な成果公開を行うべく、査読付き学術論文の執筆作業に力を注いだ。その結果、アフリカ・イスラーム研究の領野において現在最も重要な国際学術雑誌の一つであるIslamic Africaに投稿した論文が査読を経て採択され、研究成果を公開することができた(Kota Kariya, "Muwalat and Apostasy in the Early Sokoto Caliphate," Islamic Africa, 9-2 (2018), pp. 179-208)。 また最終年度であるため、それまでの研究期間中に行ってきた全ての研究内容を改めて見直し、本研究の内容を更に発展させた新たな研究課題を設定すべく、本研究課題に取り組む中で見出した種々の論点や本研究期間中に十分な検討ができなかった点の確認・整理、そして今後の研究の展開に必要な情報の蒐集に努めた。その結果、ソコト・カリフ国の成立・拡大を促した軍事ジハードと同国の政治・経済・社会を支えた大規模な奴隷制という2つの「暴力」が、同国の政治指導者であったイスラーム知識人達の如何なる知的活動によって理論化・正当化されていったのかを解明する新たな研究課題を見出し、この研究課題を平成31年度の科学研究費助成事業・基盤研究(C)に応募した。
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Research Products
(1 results)