2018 Fiscal Year Annual Research Report
Race, Class, and Gender in America's Welfare Rights Movement
Project/Area Number |
15K16587
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
土屋 和代 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (60555621)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 福祉権 / 人種 / 階級 / ジェンダー / 貧困 / 社会運動 / アメリカ史 / 社会保障 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である2018年度は以下の三点について研究を進めた。 (1)全米福祉権団体の終焉 福祉権運動を推し進めた全米福祉権団体(NWRO)を解体に導いたものは何であったのか、「福祉」を取り巻く状況の変化のなかでどのように運動が後退を迫られたのかを、NWRO文書やNWROの事務局長を務めたG・ワイリーの文書をもとに考察した。史料解析を進め、研究会で報告を行った(「『この世界はかつての姿ではない』―全米福祉権団体の解体をめぐって」「歴史のなかの人びと」研究会、2018年11月10日、専修大学生田キャンパス)。 (2)「多人種都市」ロスアンジェルスの歴史を描く試みとして、1992年に起きたロスアンジェルス蜂起に注目し、蜂起に至る背景とその歴史的位置づけを同時代の史料から考察した。報告を行い、その報告内容を発展させ、論文を執筆した((「誰の『正義』か―1992年ロスアンジェルス蜂起をめぐる表象の政治」東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻主催第26回 公開シンポジウム「移民と人権」、東京大学駒場キャンパス、2018年6月30日); 「1992年ロスアンジェルス蜂起をめぐる表象の政治―『薄明かり―ロスアンジェルス、1992』と記憶の重層性」竹沢泰子、田辺明生、成田龍一編『環太平洋地域の移動と人種―統治から管理へ、遭遇から連帯へ』京都大学学術出版会、刊行予定))。 (3)『カリフォルニア・イーグル』紙のオーナー兼編集者だった黒人女性のC・バスが、いかに居住区隔離と闘い、新たな都市空間、言説空間を創り出したのかを調査した。現在C・バスの回顧録と『カリフォルニア・イーグル』紙の解析を進めており、2019年夏にロスアンジェルスにてC・バス文書の収集を行う予定である。
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Research Products
(4 results)