2017 Fiscal Year Annual Research Report
gender analysis of the japanese ready-made garment industry under the double economic crisis: the competitiveness of low cost and high quality
Project/Area Number |
15K16592
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
長田 華子 茨城大学, 人文社会科学部, 准教授 (20632285)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 縫製産業 / 岩手県 / バングラデシュ / 低価格 / 高品質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、2008年米国発グローバル金融危機から東日本大震災へ、「二重の経済危機」を経験した日本の縫製産業の実態をジェンダー分析することである。特に、日本製のアパレル商品の特徴である、「低価格」かつ「高品質」の商品がどのようにして生み出されているのか、その源泉を女性労働力の特徴に着目しながら検討した。 研究代表者は、これまでにバングラデシュ、中国でのフィールド調査を重視して取り組んできた。本研究では、バングラデシュ、中国に加えて、生産拠点を海外移転することなく、日本でアパレル商品の製造を続けている日本国内の縫製工場、特に岩手県でのフィールド調査を重視しながら研究を進めた。岩手県でのフィールド調査は、久慈市と二戸市からの調査協力を得て、市役所、縫製工場、ハローワークなどでインタビュー調査と参与観察(工場)を実施した。特に、複数の縫製工場で女性労働者にインタビュー調査を実施するとともに、参与観察を通じて、何が「低価格」かつ「高品質」の源泉であるのかを解明することを目指した。現時点での研究成果は次の2点である。①長期間継続就業している女性労働力が有する「技術」に対する貨幣評価がきわめて低いこと(雇用形態や賃金水準)、特に、内職者がその典型である、②女性労働力の国籍が技能実習制度を利用することを通じて、多様化していることである。 上記2点については、第2回東アジア日本研究者協議会国際学術大会(2017年10月、中国)で研究報告するとともに、明石書店から2018年5月刊行予定の『産業現場における外国人労働者(仮)』に掲載する論文「日本製の洋服づくりを支える人々」を執筆した。このほかにも、バングラデシュおよび中国の縫製産業については、国際フェミニスト経済学会(2017年6月、韓国)で研究報告し、研究成果の発信に努めた。
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Research Products
(4 results)