2015 Fiscal Year Research-status Report
11-13世紀におけるチベット仏教カダム派の研究-寺院を中心として
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15K16618
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Research Institution | Kobe City University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
井内 真帆 神戸市外国語大学, 外国学研究所, 客員研究員 (90514323)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | チベット仏教 / 仏教史 / カダム派 / チベット / ラディン寺 / 写本 / データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究には二項目あり、A:ラディン寺の建造物と供養物に関するフィールド調査を伴った研究、B:カダム派に関する地名と寺院名のデータベース構築、である。一年目は前半の早い時期にデジタルカメラ、ビデオカメラなどの設備備品の購入を行い、研究遂行に必要な環境を整えた。5月上旬にドイツ・ハンブルク大学にてScholars and Scribes: Leveraging Computerized Tools for Navigating an Uncharted Tibetan Buddhist Philosophical Corpusというプロジェクトの一環としてチベット語写本についてのワークショップがあり、項目Aで主に用いる文献、『カダム全集』の中の写本の書体の特徴について発表をした。また8月にはチベット自治区ラサにて調査を行い、特に項目Aのラディン寺のフィールド調査をを行うと共に、項目A及びBに関する資料収集と現地研究者との意見交換を行った。今回の現地での調査で項目Aのラディン寺の供養物の現状について、ラディン寺の高僧から詳細を知ることができ、現在それについて発表できるようにまとめている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、現地調査や資料収集などを行うことができ、本研究に関わる国際会議での発表も行うことができた。また現時点で、二年目は国際学会と国内学会でそれぞれ一度ずつ発表することが決まっており、一年目の成果を発表する準備も進めているので順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
二年目以降は、成果を発表しながら、引き続き必要な調査を行う。具体的には、二年目は、6月に14th Seminar of International Association of Tibetan Studies(ノルウェー)にて発表が決まっており、主に項目Bに関わる、一年目の現地でのフィールド調査にて入手した新出文献について発表をする。また9月には印度学仏教学会にて本研究に関わる同時代の写本について研究発表を行う予定である。最終年度に向けて、特に項目Aについて成果を発表できるように準備を行う。
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Causes of Carryover |
おおむね計画通り支出できたが、多少の差額が生じた。理由として考えられるのは、海外での図書の購入の際に領収書がでないものがあるなど、研究費での支出が難しいことがあったことが考えられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
一年目の差額分は二年目に繰り越し、物品購入或いは二年目は学会発表がいくつか予定されているので旅費の一部として使用する。
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