2016 Fiscal Year Research-status Report
11-13世紀におけるチベット仏教カダム派の研究-寺院を中心として
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15K16618
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Research Institution | Kobe City University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
井内 真帆 神戸市外国語大学, 外国学研究所, 客員研究員 (90514323)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | チベット仏教 / 仏教史 / カダム派 / チベット / ラディン寺 / 写本 / データベース / 中世史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究には二項目あり、A:ラディン寺の建造物と供養物に関するフィールド調査を伴った研究、B:カダム派に関する地名と寺院名のデータベース構築、である。二年目は、6月にカダム派に関する新出文献、ペンチェン・イェシェーツェモ(1433-?)著の『カダム仏教史』(Bka' gdams rin po che'i bstan 'dzin rnams kyi byung khungs paN chen ye shes rtse mos mdzad pa) について、第14回国際チベット学会(ベルゲン大学、ノルウェー)にて「The Bka' gdams chos 'byung Genre and Newly Published Ye shes rtse mo's Kadam History」のタイトルで発表をし、9月には本研究と関係する同時代の新出文献について第67回日本印度学仏教学会(東京大学)にて「カラホト出土のカギュ派関係文献」のタイトルで発表、同じく9月にシンポジウムで「チベット史の転換期としての仏教伝播」のタイトルで発表をした。また、印度学仏教学会で発表した内容を論文として発表した(Early Bka' brgyud Texts from Khara-khoto in the Stein Collection of the British Library)。そして、特に本研究の項目Aと関わりがある研究成果著書(An Early Text on the History of Rwa sgreng Monastery: The Rgyal ba’i dben gnas rwa sgreng gi bshad pa nyi ma’i ’od zer of ’Brom Shes rab me lce)が出版され、本研究とも関わりがある以前の研究成果と現在継続中の研究成果を合わせて発表または出版することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究に関わる内容について、国際学会での発表と国内学会での発表を一度ずつ行い、論文も一篇発表できたので、成果発表に関しては当初の計画よりも順調に進んだ。しかしがなら、両項目に関わるフィールド調査、資料収集に関しては日程が合わず2年目には行えなかったので、3年目の前半に行うことにする。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目以降も、研究成果を発表しながら、引き続き必要な調査を行う。具体的には、2年目に国際チベット学会で発表した内容を論文として発表する。そして、中国成都での文献調査、また可能であればラディン寺(チベット自治区)での調査を再び行い、その調査の成果を発表できるように準備を進める。
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Causes of Carryover |
2年目に日程が合わず、計画していたチベット自治区でのフィールド調査が行えなかったので旅費に関する支出に差が出た。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
3年目の最終年度に、2年目に計画していたチベット自治区でのフィールド調査または成都での調査を行うことにする。
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