2017 Fiscal Year Research-status Report
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15K16621
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| Research Institution | Bukkyo University |
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Principal Investigator |
南 宏信 佛教大学, 法然仏教学研究センター, 研究員 (80517003)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 法然 / 良忠 / 聖冏 / 『往生要集鈔』 / 『往生要集義記』 / 『浄土宗要肝心集』 / 『決疑鈔直牒』 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は以下三点の項目で進行中である。
（１）身延文庫蔵『決疑鈔直牒』（以下身延文庫本）の翻刻作業中である。従来聖冏（1341-1420）撰『決議鈔直牒』の諸本は江戸期以降の版本ばかりであった。一方で身延文庫本はそれより百年以上遡る未紹介の写本資料（1527年書写）であり、それを翻刻することに意義がある。特に重要なことは、現存諸本と比較すると少なからず異同が確認できることである。身延文庫本は『決疑鈔直牒』の原型を知る上において欠かすことのできない資料である。
（２）また良忠（1199-1287）撰『往生要集鈔』（全八巻）と後に増広を加えた『往生要集義記』の未調査の諸本に対して調査を実施した。現在これらの成果を活用しつつ『往生要集鈔』から『往生要集義記』に移行する様子が垣間見られる檀王法林寺蔵本の翻刻作業を継続中である。さらにあと八種ある他の諸本との異同を付すことで、従来知られていなかった文献全体の増広・異同を示すことが、『往生要集鈔』の原型を知る上で重要であると考える。
（３）浄土宗典籍は江戸時代に内容が一部整理・増広され版本で刊行される事例を調査しているが、その基盤となる法然浄土教の思想変遷を考察した。特に法然浄土教の最重要概念の一つである「八種選択義」の一種「選択証誠」「選択留教」の成立過程について考察し、その知見を学会・研究会において発表した（「法然における善導『法事讃』「直為弥陀弘誓重」等の文をめぐる解釈」『印度学仏教学研究』66(1)2017年12月、「法然「選択留教」に見る『往生要集』の影響」知恩院浄土宗学研究所月例研究〈11月25日（土）〉にて発表）。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は『往生要集鈔』『往生要集義記』を対象として調査・翻刻を実施し、現在順調に進行中である。身延文庫本の翻刻もいまだ作業中ではあるが、前年度に中国浙江大学において開催された学術大会で『往生要集鈔』諸本の比較研究を繰り上げて発表する機会を得、また貴重な指摘をいただいたこともあり、全体的に見て「おおむね順調に進展している」と判断した。
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| Strategy for Future Research Activity |
身延文庫本の翻刻を完成させる。また『往生要集義記』諸本の悉皆調査を遂行し、『往生要集鈔』『往生要集義記』の翻刻・比較一覧表を完成させる。今年度は最終年度にあたるので、計画の変更等が内容に最新の調査を払いながら進める。
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