2016 Fiscal Year Annual Research Report
"Possibility of the expression in the environment"-Development of work theme and expression in the global era-
Project/Area Number |
15K16661
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
臼井 英之 東京藝術大学, 大学院美術研究科, 研究員 (70644574)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 環境芸術 |
Outline of Annual Research Achievements |
【世界のアートシーンから世界を知る】 イギリス最大級の芸術祭であるリバプール・ビエンナーレの視察を行った。この国際展には様々な国の表現が一同に集結する。現地視察をベースとしたリサーチは、世界の作家が何を考え、どのように表現しているのかを、自分の目で確認することで、自分の表現の立ち位置を知り、日本人アーティストとして今後世界に発信していくための、重要な基盤となった。 また、ロンドンにて第一線で活躍する現代美術作家のアントニー・ゴームリー氏のアトリエを訪問する機会を得ることができた。制作現場の雰囲気はもとより、彼の制作における思考プロセス、集団制作による効率的な制作技法、またアートギャラリーでのコンスタントな作品展開方法などを直に学ぶことのできる有意義な時間となった。 【制作に関して】 国際展視察の際に訪れたヨーロッパの街には、創作のヒントとなるものが随所に存在した。特に、様々な人種が交差する空港や街にあるお土産屋で、その国を代表するアイテムに目が留まった。イギリスの街では、赤い電話ボックスやロンドンバスなどが目に付いた。これらのアイテム=「世界のアイコン」の大衆化されたヴィジュアルは、一目でその国を連想させる要素を持ち、これらのアイコンを作品のモチーフとして用いることで、どの世界の人にも作品のメッセージを効果的に伝え、様々な表現を展開していくことが可能であると考えた。 世界の抱える諸問題に目を向けつつも、欧米諸国の作家のように、作品そのものに直接的に強烈なメッセージを込めるのではなく、日本人ならではの感覚・美意識で、エスプリの効いた造形表現を積極的に世界に発信していくことに、改めて価値を感じた。具体的には、モチーフとして「世界のアイコン」を用い、素材として「水と空気」を使用することで、「水と空気で世界を繋ぐ」という新しいテーマで作品を展開するという着想に至り、小作品数点を制作した。
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Research Products
(2 results)