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2015 Fiscal Year Research-status Report

デジタル移行期におけるアメリカ映画産業と製作形態の変容に関する研究

Research Project

Project/Area Number 15K16668
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

河原 大輔  九州大学, 言語文化研究科(研究院), 助教 (20724024)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywordsアメリカ映画 / 映画産業 / デジタル・シネマ / ニュー・ハリウッド / 技術移行 / 新自由主義
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、大きく分けて、(1)映画、テレビ、出版、音楽産業を傘下に置くグローバルなマルチメディア産業としてのメディア・コングロマリットとしての「ニュー・ハリウッド」の政治経済状況の確認と(2)デジタル映像技術の拡大に伴い、大手スタジオが2002年に共同で設立したデジタル映画の標準化推進団体「デジタル・シネマ・イニシアティブ(DCI)」の成立をめぐる言説の分析、の二点に焦点を当てて研究を行った。まず、(1)のニュー・ハリウッドにおけるメディア産業の(再)統合については、主に映画産業学の文献を精読することで、1980年代から90年代のレーガン政権からクリントン政権期にかけて行われた独占禁止法の新自由主義的再解釈、アメリカ合衆国司法省によるマーケット定義の変化、連邦通信委員会によるフィンシンルールの廃止等のメディア行政の規制緩和策について映画産業内の具体的な事例と照らし合わせながら検討を行った。このような現代アメリカ映画産業の政治経済状況の分析は、デジタル技術そのものに内在した特質やアナログ技術との美学的・存在論的差異、技術と観客との関係、観客身体への情動効果や観客による意味生産に集中しがちな従来のカルチュラル・スタディーズの方法論が看過してきた論点であることを確認した。(2)のDCI成立をめぐる言説については、DCI のデジタル映画に関する規格策定とその立案プロセスや映画館主との利害対立等に関する新聞記事や調査会社による統計資料を収集し、リスト作成を行った。これらの調査結果の一部を基にして、アメリカ学会2015年度年次大会(2015年6月6日~6月7日・国際基督教大学)において「新自由主義下ハリウッドにおけるデジタル・シネマ技術の拡大」と題した研究発表を行った。また、デジタル時代の映画製作についての公開ワークショップをドキュメンタリー映画製作者を招いて行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

デジタル映画の規格統一の中心的な存在であったコンソーシアムの成立とそれをめぐる言説空間を対象として、アメリカ映画産業の主に上映分野におけるデジタル化の主要論点を整理することができ、成果を発表することができた。言説資料の収集に関しては、当初の予想よりもオンラインデータベース上で入手可能な資料が多く、概ね順調に進行し、リスト作成を行うことができた。国内ならびにオンラインデータベース上では入手不可能な資料の収集に関しては、2016年度に予定していた海外図書館・アーカイブにおける文献調査、資料収集については学内業務の都合上実施することができなかったが次年度に予定を変更した。日程上の変更であり、研究計画ならびに研究内容への影響はない。

Strategy for Future Research Activity

一年目の研究の総括とともに、二年目の研究計画の調整を行う。具体的には、延期された海外図書館・アーカイブでの資料収集を主にアメリカ合衆国において実施する。この調査で得られた資料をリストに追加し、中間成果を学会等において行うとともに、現在執筆中の研究論文を完成させ、投稿、発表する予定である。文献調査に関しては、研究実施者の研究蓄積が不足していた文化政策と映画産業に関する文献を中心に精読を進めていく予定である。また、2015年5月にはアメリカ司法省反トラスト局がアメリカ大手劇場チェーンの調査を開始するなど、アメリカ映画産業のデジタル化をめぐる政治経済状況に新たな事例が生まれている。そのため、次年度以降は、このような現在進行形の事例も調査対象に追加し、可能な限り資料の収集を行っていく予定である。

Causes of Carryover

予定していた海外調査の実施日程を次年度に変更したため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度において、アメリカ議会図書館等に調査旅行を実施し、資料収集を行う。

  • Research Products

    (1 results)

All 2016

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 新自由主義下ハリウッドにおけるデジタル・シネマ技術の拡大2016

    • Author(s)
      河原大輔
    • Organizer
      第49回アメリカ学会年次大会
    • Place of Presentation
      国際基督教大学
    • Year and Date
      2016-06-06 – 2016-06-06

URL: 

Published: 2017-01-06  

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