2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K16671
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
増田 展大 立命館大学, 先端総合学術研究科, 非常勤講師 (70726364)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | メディア論 / 生命科学 / バイオアート / アニメーション論 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度にあたる平成27年度は、生命科学とメディア論の接点を探るための基礎的な研究が進められた。それぞれに対応させるかたちでバイオアートとニューメディア/アニメーション論を具体例として、両者にかんする歴史的かつ理論的な動向をめぐる研究調査をおこなった。前者については、当初の予定では次年度以降に予定していたものであるが、本研究計画を進めるうえで基礎的な部分を固める作業として必要であると判断し、あらかじめ重点的におこなうこととなった。以下、これらの二点にわけてそれぞれ記述する。 まず、バイオアートをめぐる調査については基本的かつ歴史的な動向の調査を進め、メディア論との関係を重点化するかたちで研究を進めた。その成果の一部については、すでに10月に開催された美学会全国大会での口頭発表として公表することができた。この機会には国内の研究者から有益なコメントを頂き、ディスカッションをおこなうことができた。またその際に交流することのできた研究者を招聘して、年度末にあらためて研究会を開催し、現代の生命科学について重要な知見を得ることができたのは大きな成果となった。 次に、ニューメディア/アニメーション論にかんしては当初の予定通り、諸外国の文献調査を中心として進められた。A・ギャロウェイやE・サッカーなどによる議論を中心として、上記の研究内容との接続も十分に可能であることが明らかとなり、これも上記の学会発表や研究会発表などで部分的に公表することができた。その内容については次年度以降、生命科学にかかわる歴史的資料などの調査を充実させることによって具体化し、論文などのかたちで積極的に公開することを予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画とやや順序に変更はあったものの、研究計画書に記した内容とは大差なく内容を前進させることができたと考えられる。当初予定していた理論的調査のみならず、今後の研究計画に向けて重要となる研究者との交流を深めることができたことなどから、おおむね順調に進展しているとの評価をおこなった。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に予定していた生命科学の歴史研究については、文献調査などにおいていまだ不十分なところもあるため、それらを重点的におこなうことにしたい。また、研究内容の公表についても次年度以降、学会や論文発表などのかたちでより積極的におこなうことを目指している。
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