2017 Fiscal Year Annual Research Report
The Possibilities of Media Theory on the Life Science
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15K16671
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
増田 展大 立命館大学, 先端総合学術研究科, 非常勤講師 (70726364)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 映像論 / メディア論 / バイオアート / 生命科学 / 美学・感性論 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度にあたる2017年度は、これまでの研究総括と成果発表を中心に進められた。具体的には論文2本と国内学会での口頭発表1回、また研究機関内外でのアウトリーチ活動がそれに当たる。 まずは論文のうち、東京大学出版から近日刊行予定の論文集に寄稿した原稿が、本研究の主たる成果となる。これは前年度の計画に記した部分を具体化するものであり、すでに編集の最終段階にある。内容としては、今世紀に入る頃から興隆しつつある「バイオアート」を調査した前半部分と、それを実例としつつも、歴史的な観点から生命科学の実践をメディア論的に読み替えることを試みた後半部分から成る。また、本論は今年度のうちに編者や関係者のピアレビューを受け、数度の書き換えによってそれを反映することもできた。 また、年度末に刊行された著作『メディア・アート原論』(フィルムアート社、2017)に論文を寄稿する機会を得ることもできた。おなじくバイオアートの作品や、それをめぐる言説の紹介が中心となるが、最近の生命倫理やメディア論との関係など、本研究の狙いを取り込む内容となっている。本書全体の主題が「メディア・アート」であることから、ここまでの研究成果を隣接領域へと接続することも可能になった。 続いて口頭発表としては、昨年度の研究成果である単著の刊行をきっかけに、日本質的心理学会の編集委員会より招待を受け、同書の内容を展開するかたちで学会シンポジウムでの発表をおこなった。また同書については、その内容紹介のための書評会やイベントが4度にわたって開催された。これらの機会によって、メディア論や芸術・美術史学のみならず、社会学や心理学などの隣接分野や、または研究者に限らない人々との交流が実現し、今後の研究に向けて非常に有益な着想を得ることができた。
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