2015 Fiscal Year Research-status Report
明治期〈文芸メディア〉研究基盤構築のための錦絵データベースの作成
Project/Area Number |
15K16694
|
Research Institution | Sasebo National College of Technology |
Principal Investigator |
生住 昌大 佐世保工業高等専門学校, 一般科目, 講師 (40612453)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 錦絵 / 浮世絵 / 士族反乱 / メディア / 日本近代文学 / 明治 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、1000点に迫るであろう膨大な数の士族反乱関係錦絵データベースを構築することを目的とするものである。これまでに、「鹿児島県立図書館」「鹿児島市立美術館」「熊本市立熊本博物館」など、九州の主要所蔵機関における調査は終えており、本研究では調査範囲を日本全国に拡大して行う計画である。 初年度に当たる平成27年度は、「海の見える杜美術館」における士族反乱関係錦絵の調査を計画していた。同館は、士族反乱関係錦絵を250点ほど所蔵しており、これらの一部を展示した企画展「極彩色の歴史絵巻 西南戦争錦絵展 ラストサムライ西郷隆盛の聖戦」を、平成25年に開催している。ただし、この企画展に際しては図録の刊行もなく、所蔵作品の全貌も明らかとはなっていない。士族反乱関係錦絵データベースを構築するためには、ぜひとも調査を実施しなければいけない主要所蔵機関の一つである。 しかしながら、研究代表者が平成27年5月から体調を大きく崩したため、「海の見える杜美術館」の調査はおろか、当該研究課題を進めることはほとんどできなかった。ただし、西南戦争錦絵研究の成果を一部盛り込んだ論文「西南戦争もの実録における享受と検閲」(『文学』第16巻第4号、平成27年7月)を発表している。その他、資料の収集だけは継続して行うことができた。 また、研究代表者が体調を崩す直前に、熊本県の「玉名市立歴史博物館こころピア」で、企画展「錦絵でみる西南の役―高瀬・田原坂・熊本城―」が催され、同館が140点ほどの士族反乱関係錦絵を所蔵していることを知った。復調の兆しが見え始めた11月頃、当初の調査計画を改め、同館に調査の受け入れを申請したが、詳細な図録をすでに刊行したばかりであり、なおかつ寄託作品ということで、悉皆調査を受け入れていただけなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
前述のとおり、平成27年5月から体調を大きく崩し、計画していた研究を前進させることはほとんどできなかった。およそ半年後に復調して改めた調査計画も、所蔵機関側の事情もあり、実施することができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
2年目にあたる平成28年度は、昨年度に計画しながらも実施できなかった「海の見える杜美術館」での調査を行う。また、昨年度の遅れを取り戻すべく、協力者を増員してデータベースの情報入力作業などを進めていく。
|
Causes of Carryover |
初年度にあたる平成27年度は、調査に必要な機器を購入するため「物品費」を大きく計上していたが、前述のとおり、体調を崩して研究を遂行することがほとんどできなかったため、ほとんど使用できていない。ただし、研究を中断させている時期にも、資料の収集だけは継続して行った。他の項目についても、同様の理由で、計画どおりに使用できなかった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画は綿密に立てているため、使用に困ることはない。調査に必要な機器を夏までには準備し、スムーズに調査に入れるよう努める。また、研究の遅れを取り戻すためには、協力者を増員する必要がある。したがって、今後は「人件費・謝金」の支出が当初計画より増えることが見込まれるが、予算内で最善の使用計画を立て直したい。
|
Research Products
(1 results)