2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K16695
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
小山 順子 国文学研究資料館, 研究部, 准教授 (20454796)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 後土御門天皇 / 後柏原天皇 / 後奈良天皇 / 禁裏文芸 / 和歌 / 連歌 / 和漢聯句 / 女性文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度の研究成果として、「室町時代の女性歌人たち」(『中世文学』第60号、平成27年6月)と「『内裏女中月次続歌』考」(『国文学研究資料館紀要 文学研究篇』第42号、平成28年3月)を発表した。いずれも、後土御門天皇時代の女性歌人の活動についての論考である。前者は女性歌人の活動を概観するとともに、当該時代を境として女性歌人たちの活動が知られなくなる理由や背景について考察した。後者は特に国立歴史民俗博物館蔵『内裏女中月次続歌』について取り上げた。女性歌人による詠作がほとんど残されていない中で、まとまった数の和歌を収める当該資料は非常に貴重であり、出詠する女性歌人たちの伝記事項をまとめ、資料として活用できる下地を整えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
後土御門天皇時代についての資料を収集し、特徴を抽出するという平成27年度の目標は、おおむね順調に進展している。収集した資料に基づいた論考は、次年度以降に発表を予定している。また、次年度の課題として設定している後柏原天皇時代の資料の収集も、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
残されている御会資料を、公家日記・『お湯殿の上の日記』などの史料と照合することで、文学作品としての特質や特徴を明らかにしてゆくのが、本研究課題の柱となる研究方法である。御会資料の多くは、宮内庁書陵部蔵本・国立歴史民俗博物館蔵高松宮旧蔵本として伝わっており、それらは基本的に国文学研究資料館蔵マイクロ資料によって調査し、必要なものについては原本を調査する。また、龍谷大学大宮図書館・京都府立総合資料館にも重要な資料が所蔵されているため、これらも適宜調査してゆく。
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Causes of Carryover |
資料調査にあたり、紙焼写真の作成のために「その他」を100,000円計上していたが、今年度は主にマイクロ資料による調査で要が足りたため、複写作成に費用が掛からなかった。そのために、「その他」は成果としての論文の抜き刷り費用のみにとどまり、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は、出張に掛かる費用が、当初予定していたよりも大きくなる見通しである。そのため、昨年度の残額は、旅費として使用する計画である。
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