2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K16702
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
生駒 久美 大東文化大学, 文学部, 講師 (00715063)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マーク・トウェイン / 感傷小説 / スレイブ・ナラティブ / 奴隷制 / 白人性 / 男性性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年11月5日に日本マーク・トウェイン協会主催の「トウェインと女たち」というシンポジウムに参加し、そこでの原稿に加筆、修正後、「ロクサーナの逸脱:『阿呆たれウィルソン』における感傷小説とスレイブナラティブの間」というタイトルで出版した(『マーク・トウェイン研究と批評』第16号、2017年4月、所収)。これまで人種の観点から議論されることの多かった『阿呆たれウィルソン』(1894)だが、本論文では、ジャンルの観点から作品に焦点を当て、トウェインの人種およびジェンダー観を詳らかにした。要約すると、『阿呆たれウィルソン』のなかでトウェインは、白人女性作家によって執筆されたジャンルである感傷小説を黒人女性ロキシーが体現するスレイブ・ナラティブによって相対化するが、さらにそれを白人男性主人公ウィルソンが代表する探偵小説というジャンルによって包摂してしまっていることを指摘し、最終的にトウェインの白人男性性を問題化した。これまでトウェインにおける「白人性」(whiteness)を問題にしてきたが、今回は人種だけでなく、ジャンルおよびジェンダーの視点を導入することで、白人性の問題意識を拡大し、その複雑な様相を解明することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
トウェインの小説、作品、自伝、伝記研究が毎年数多く出版される上、19世紀後半のアメリカ南部の歴史および人種状況、ホワイトネス・スタディーズや男性性研究の研究書も読んで、多角的に検討する必要があるため。またこうした研究書、論文の中には国内では入手困難なものがあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
国内外の研究者達とのコミュニケーションを取りながら現在取り組んでいる研究を論文化して、海外に投稿することを目指す。具体的には、『アーサー王宮廷のコネチカット・ヤンキー』を取り上げ、白人男性主人公ハンク・モーガンのリベラルな社会改革に焦点を当て、主人公の改革に対するトウェインの批評を考察する。
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Research Products
(2 results)