2018 Fiscal Year Annual Research Report
Reorganization of the field of French symbolism discourses from the point of view of art criticism
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15K16718
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
熊谷 謙介 神奈川大学, 外国語学部, 教授 (20583438)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 国際情報交換:フランス、ベルギー / 美学 / 哲学 / 世紀末 / 社会思想 / アナーキズム / 文明 / 構成 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年10月に行われた日本フランス語フランス文学会2018年度秋季大会・ワークショップ「近代フランス美術と文学―その照応と対立のダイナミズム」において、「ペンで描かれた「象徴主義」-アルベール・オーリエの美術批評から」と題した発表を行った。本研究課題の要点となる、世紀末美術と象徴主義文学の言説の関係についての考察である。オーリエの批評におけるボードレールからの引用を新たに指摘したうえで、2019年3月に論文を発表した。 また、2018年9月に行われた「マラルメ・シンポジウム2018」において、「マラルメの詩の「縁語」について -≪ A la nue accablante tu密雲の低く圧しかぶさるあたりに… ≫を中心に」という発表を行った。マラルメの難解といわれる詩を、和歌の技法である「縁語」という概念を援用して分析する試みであり、象徴主義詩読解に新たな視点を提示した。2019年3月に論文を発表した。 さらに、2018年12月に「ミシェル・ウエルベックとユイスマンス―『服従』における《女性嫌悪》をめぐって」と題する論文を発表した。イスラーム教の表象をめぐって論議を呼んだ『服従』の主人公が、ユイスマンスの研究者であることをきっかけに、両作家を女性嫌悪と食卓というテーマから論じたものであり、世紀末文学解釈の刷新を目指した。 これ以外にも、哲学者カンタン・メイヤスーのマラルメ論(「『賽の一振り』あるいは仮定の唯物論的神格化」)を翻訳し、昨年度発表した後期マラルメ論を論文とした(「詩句の危機から再構成の詩学へ-マラルメ『ディヴァガシオン』と『賽の一振り』を結ぶもの」)。2018年12月には、岩手大学国際シンポジウム「証言の時代とそれ以前」にて、「「無常」から「非情」へ―カタストロフィーを語る堀田善衞」と題した発表を行い、戦後日本文学をフランスに紹介する試みを行い、論文として発表した。
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Research Products
(9 results)
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[Book] 亡霊のジレンマ2018
Author(s)
カンタン・メイヤスー(翻訳:熊谷謙介、他3名)
Total Pages
272(担当箇所147-210頁)
Publisher
青土社
ISBN
9784791770847