2016 Fiscal Year Research-status Report
台湾ニューシネマとそれ以降の台湾映画における「日本時代」表象研究
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15K16725
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
赤松 美和子 (佐藤美和子) 大妻女子大学, 比較文化学部, 准教授 (00510653)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 台湾映画 / 日本時代 / 日本表象 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究課題「台湾ニューシネマとそれ以降の台湾映画における「日本時代」表象研究」の研究成果は以下の通りである。 (1)研究成果の公表:6月に、台湾映画における日本表象について、「Japanese Images in Genres: Pretexts of the Japan Complex in Taiwan Cinema」と題する発表を、AAS-in-ASIA - Kyoto 2016において行った。本発表を元に執筆した論文「1960年代の台湾映画における日本表象」を、『大妻比較文化』vo.18に掲載した。8月には、最新の台湾研究の成果を広く社会に還元することを目的として、29名の執筆者に原稿を依頼し、共編著『台湾を知るための60章』(明石書店)を刊行した。本書については、9月に刊行イベントを台湾文化センターで開催するとともに、12月にお茶の水女子大学中国文学会で「『台湾を知るための60章』刊行をめぐって』」と題する発表を行った。9月には、「日本時代」を創作源とする魏德聖監督作品の日本における受容について紹介した論文「魏德聖在日本的接受状況」を、台湾の学術雑誌『中外文學』45巻3号に掲載した。さらに、台湾では、論文「現在台灣電影中「日本時代」的敘述-以《賽德克.巴莱》、《大稻テイ》及《KANO》為中心」が、『戰後台灣的日本記憶:重返再現戰後的時空』(允晨文化、2017年3月)に所収された。 (2)資料・書籍の購入と分析:本年度は、去年度に引き続き、台湾映画における「日本時代」表象に関わる資料や研究書及びDVDを購入した。現在これらの資料や先行研究の分析を順次進めている。 (3)資料の調査・収集:8月に台北の国家電影中心や、国家図書館で、関係資料の調査・収集を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
二年目である本年度に、成果の一部を口頭発表および学術誌への論文掲載などいくつかの形で公表できた。また、今後の研究を進める上で必要な資料の収集も順調に進んでいる。来年度も継続した成果の公表が望める状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
現在研究は順調に進んでおり、継続して、(1)研究成果の公表、(2)資料・書籍の購入と分析、(3)現地における資料の調査・収集を進める。 本年度は、学内制度による国外研修の貴重な機会をいただいたため、戦後の台湾映画における日本表象について、多角的に研究していきたい。
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Causes of Carryover |
2017年度は学内制度を利用して国外研修中のため、その準備費用として前倒し請求を行ったが、年度内に執行することができず、現在、一部は請求中である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現地においての資料収集のための費用や、研究成果を広く公表するための翻訳費用として使いたい。
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