2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K16744
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
横森 大輔 九州大学, 言語文化研究院, 准教授 (90723990)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 中断節構文 / 名詞修飾節 / 引用節 / 副詞節 / 相互行為言語学 |
Outline of Annual Research Achievements |
3年目となる平成29年度は、名詞修飾節、引用節、副詞節のそれぞれが中断節構文(主節ないし主部を欠いた発話形式)として用いられた事例について、相互行為言語学の立場から分析を実施し、学会発表および論文執筆を行った。また、『話しことばへのアプローチ』(ひつじ書房)の刊行(12月)に編著者の1人として携わり、その中で本研究課題の理論的・方法論的な支柱である相互行為言語学についての概要とケーススタディを紹介する一章を執筆した。 名詞修飾節中断節構文については、前年10月に行われた日本英文学会九州支部大会シンポジウムにおける発表内容に基づき、プロシーディング論文を執筆した。また、国立国語研究所で開発中の日本語日常会話コーパスプロジェクト内公開版を用いて分析対象の事例を増やし、分析をさらに精緻化した成果に基づき、EMCA互助会(1月)および会話分析研究会(2月)での話題提供を経て、「第14回話しことばの言語学ワークショップ」(2月)にて口頭発表を行った。この内容は現在論文に取りまとめている最中であり、平成30年度中に執筆が完了の予定である。 引用節中断節構文については、平成29年度4月より新たに事例収集と分析を開始し、社会言語科学会第40回研究大会にて口頭発表を行った(9月)。また、それを発展させた内容を2018年7月に英国で行われる第5回会話分析国際会議での口頭発表に応募し、採択された。この内容は、平成30年度中に専門学術誌に投稿の予定である。 副詞節中断節構文についても同様に、2018年7月に英国で行われる第5回会話分析国際会議での口頭発表に応募し、採択された。また、その一部の内容について、国立国語研究所シンポジウム「日常会話コーパス」III(3月)にてポスター発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概要に記した通り、複数の中断節構文について、十分な量の事例を収集して分析を進めることで、研究発表・論文執筆などの成果発表を順調に進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
名詞修飾節および引用節の中断節構文については、執筆中の論文を平成30年度中に完成させる。 副詞節中断節構文についても、論文執筆を開始し、投稿準備を行う。 また、条件節中断節構文について事例を収集し、国際会議に投稿する。
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Causes of Carryover |
複数の関連度の高い研究助成プロジェクト(科研費および民間助成)に研究分担者等の立場で参画することとなり、本研究計画で購入を予定していた専門書籍を別経費で購入したため次年度使用額が生じた理由。 H30年度は、第5回会話分析国際会議への参加を当初から計画に含めていたが、開催日程が想定していたより長くなったため、その分の滞在費用にこの金額をあてる。
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Research Products
(6 results)