2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K16746
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲垣 和也 京都大学, アジア研究教育ユニット, 特定助教 (50559648)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | ドホイ語 / 学際的連携 / 言語文化記述 / データベース / フレームワーク開発 / 言語記録 / 言語学 / 人類学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、主に人類学者との学際的連携を通してドホイ語の言語文化記述の基盤作成をおこなうことを目的としている。2016年度における関係者との連携強化および資料収集・整理の概要は以下の通りである:(1)Kusmawan(研究協力者、ドホイ語母語話者)および Napa J. Awat(同母語話者)と本研究課題の連携体制について確認を取り合った;(2)2016年11月、第47回日本インドネシア学会大会で諸関係者と本研究課題に係る意見交換の機会を得た;(3)2017年2月、インドネシア大学で Himawan Pratama(インドネシア大学講師)と本研究課題の現地調査に係る意見交換をおこない、本研究課題に係る資料収集をおこなった;(4)2017年3月、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所で、塩原朝子、内海敦子、長屋尚典らと本研究課題における言語記録関連の意見交換をおこなった;(5)2017年3月、ライデン大学を訪れ、Willem van der Molen と本研究課題における文献記録関連の意見交換をおこない、本研究課題に係る文献資料収集をおこなった;(6)2017年3月、Pascal Couderc(研究協力者)とケベックにて、本研究課題に係る集中的なミーティングの機会をもうけ、音声記録の大規模なデジタル化を完了し、本研究課題の今後の展開についての合意形成をおこなった。 研究成果発表は、2016年11月20日に第47回日本インドネシア学会大会(愛知県立大学)で「インドネシア語オノマトペ研究序説」と題する口頭発表をおこない、学会誌『インドネシア 言語と文化』第23号に「インドネシア語におけるオノマトペ」と題する研究論文を発表した。これらインドネシア語についての研究発表は、同じオーストロネシア語族に属するドホイ語(本研究対象言語)のオノマトペ記述に応用可能なフレームワーク開発の目的を兼ねておこなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請段階において予定していた2016年夏季の現地調査の目途がたたず、インドネシア共和国カリマンタンで調査をおこなうことができなかった。しかしながら、SNS等を通じて現地のドホイ語母語話者とコミュニケーションをとることができた。また、愛知、東京、インドネシア、オランダ、カナダにおいて研究成果発表、研究協力者との学際的連携強化、関係者との意見交換をおこなうことができた。特に、オランダにおける文献資料収集とカナダにおける音声記録のデータ整理により、次年度以降に解決すべき諸問題と具体的な研究成果発表の計画を練ることができた。インドネシアおよびオランダにて新たに得られた研究者・母語話者との協力関係により本研究を推進するための連携基盤がより強固になったと言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
2017年度は、引き続き Pascal Couderc(研究協力者)と、(1)データ整理およびデータベース化作業の継続、(2)研究成果発表の準備とその計画に関する議論、(3)現地調査に関する調整をおこなう予定である。また、カリマンタン在住の Kusmawan(研究協力者)、Napa J. Awat との連携体制を強化するとともに、本研究課題の成果発表および現地共同体への研究成果の還元方法について議論する。
|