2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K16746
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲垣 和也 京都大学, 学際融合教育研究推進センター, 特定講師 (50559648)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ドホイ語 / 学際的連携 / 言語文化記述 / データベース / フレームワーク開発 / 言語記録 / 言語学 / 人類学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、主に人類学者との学際的連携を通してドホイ語の言語文化記述の基盤を作成することを目的としている。2017年度の連携強化の進捗状況は以下の通りである。 (1)研究協力者関連:2017年9月、インドネシア、中カリマンタン州を訪れ、Kusmawan(研究協力者、ドホイ語母語話者)と本研究課題の連携体制の再確認と方言記述を含む今後の研究方針の共有をおこない、同時期に、インドネシア、西カリマンタン州を訪れ、ドホイ語西カリマンタン方言の母語話者に本研究課題の主旨を説明し、ドホイ語に関する意見交換をおこなった。また、ケベック在住の Pascal Couderc(研究協力者)と email を通して、昨年度ライデン大学で収集した文献資料の整理と、本研究課題の連携体制の再確認および今後の研究方針の共有をおこなった。 (2)言語記録関連:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所で塩原朝子、内海敦子らと意見交換(2017年4月および10月)、京都大学東南アジア地域研究研究所で Nathan Badenoch、長田俊樹、大西正幸、千田俊太郎らと意見交換をおこなった(2017年8月)。 (3)インドネシアの諸言語の研究関連:第48回日本インドネシア学会大会で諸関係者と意見交換(2017年11月)、インドネシア大学で Himawan Pratama と意見交換をおこなった(2018年2月)。 (4)学際的連携関連:国立遺伝学研究所で奥島美夏、伊藤雄馬らと意見交換をおこなった(2017年5月)。 研究成果発表は、2017年5月、8月、11月に口頭発表をおこなった。また、日本インドネシア学会誌に論文を投稿した。これらの研究発表はドホイ語の言語文化記述に応用可能なフレームワーク開発の目的を兼ねておこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた2017年夏季の現地調査をおこなうことができ、今後進めていく方言記述が軌道に乗ると同時に、現地在住の協力者との連携基盤がより拡大した。また、東京、静岡、京都、インドネシア、奈良において、研究成果発表、研究協力者との連携強化、関係者との意見交換をおこなうことができた。合わせて、昨年度オランダで収集した文献資料整理が進行し、これによって次年度以降に解決すべき諸問題を整理することができ、研究成果発表の実現に近づいた。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度も引き続き Pascal Couderc(研究協力者)と、(1)データ整理およびデータベース化作業を継続し、(2)研究成果発表の準備とその具体的計画についての議論をおこなう。また、インドネシア、中カリマンタン在住の Kusmawan(研究協力者)および、西カリマンタン在住の Moerdjani Aban、Rafael Syamsuddin との連携体制を強化するとともに、本研究課題の成果発表および現地共同体への成果還元の方法についての具体的な議論をおこなう。
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