2017 Fiscal Year Annual Research Report
A morphosyntactic study of (split) ergativity in Kaqchikel and Mayan languages
Project/Area Number |
15K16752
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
今西 祐介 関西学院大学, 総合政策学部, 助教 (80734011)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 分裂能格性 / 名詞化 / 活格型 / マヤ諸語(カクチケル語、イシル語) / 喜界語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も昨年度に引き続き、研究代表者の今までのマヤ諸語研究に基づき、日本語、喜界語(あるいは喜界方言)およびマヤ諸語を含む(能格)言語の比較統語研究をおこなった。特に、マヤ諸語の能格性、特に分裂能格性と名詞化の関連についての研究を遂行した。その結果、名詞化節内の外項の有無と、対格型配列における一致形態素と文法関係の対応が相関していることが明らかになった。また、グアテマラでのフィールドワークも行い、当該研究に関するデータを収集・分析した。 さらに、喜界語の格配列の研究もおこなった。その中でも、当該言語が活格型配列を有するかについて文献調査およびフィールドワークをおこないながら考察した。その結果、喜界語におけるゼロ格の分布が動詞の意味的特性と相関関係にある可能性が高いことが分かった。今後、さらなるデータを収集・分析するとともに、他の能格言語の研究成果と比較しながらこの問題を精査する予定である。昨年度と同様に、本年度おこなった上述の比較統語研究は能格性を決定づける要素(あるいは言語パラメータ)の検証のためにも意義があったと言える。 本年度は、イシル語に関する学術論文一編、統語操作の一致に関する書評論文(慫慂)一編が出版された。カクチケル語の再述代名詞に関する学術論文が国際学術雑誌(Studia Linguistica)に採択された。本研究に関して、二つの招待講演(愛知大学、甲南大学)と一つの国際学会発表(国立国語研究所)をおこなった。
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Research Products
(7 results)