2015 Fiscal Year Research-status Report
南米ボリビア・サンフアン日本人移住地における宗教生活語彙体系の調査研究
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15K16761
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
小川 俊輔 県立広島大学, 人間文化学部, 准教授 (70509158)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 言語地理学 / 日本語学 / キリシタン / キリスト教用語 / 宗教生活語彙 / ボリビア多民族国 / 日系南米移民 / 危機言語 |
Outline of Annual Research Achievements |
【本研究の目的】本研究の目的は、ボリビア多民族国サンフアン日本人移住地における宗教生活語彙体系の記述である。この移住地は1955年に創設され、現在の日系人口は700名ほどである。そのうち約半数が長崎県出身者であり、彼らのほとんどが≪江戸時代のカクレキリシタンを先祖に持つ人々≫である。この移住地の宗教生活語彙を記述した研究は皆無である一方、現在、移住者1世の高齢化が進み、年々亡くなる方が増えている。すなわち、「危機言語」的状況にあり、早急に調査・記述する必要がある。
【平成27年度の主な研究成果(2点)】 《1.移住地訪問調査の実施》平成27年8月13日から28日まで、移住地を訪問し、調査を実施した。期間中、移住地創設60周年記念式典が挙行されており、様々な諸行事に参加させていただき、この種の調査研究において最も重要な「人間関係の構築」に大きな進展があった。但し、特にお世話になるはずだった方の身内の方に不幸があり、予定した調査が実施できないところもあった。また、研究計画の段階では当該年度中に2度の訪問を予定していたが、予算の都合上、1度しか実現できなかった。
《2.国内外の学会・研究会での発表》VIIIth Congress of the International Society for Dialectology and Geolinguistics(北キプロス)および九州方言研究会(長崎)で、《1.》に記した調査の結果に基づく研究発表を行った。移住地で盛んに使われてきた「旧信者」「新信者」という言葉(に該当する概念の言葉)の使用について、前者では、北欧の研究者から、北欧諸国における類例の存在を知らされ、この2語の普遍性と特殊性を捉えることができた。また、後者では、九州(特に長崎)出身の参会者から、この2語についての経験を聞くことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
【研究計画】交付申請書に記した研究計画の概要は次のとおりであった。①第1回移住地調査(H27年8月)、②宗教生活体系の把握とそれに基づく「調査票」の作成(H27年9月~12月)、③第2回移住地調査(「調査票」による調査)(H27年12月~H28年1月)。
【「やや遅れている」と評価した理由】交付された研究費の額が、2度の移住地訪問を許さないものであったため、やむを得ず1度のみの訪問となった。この為、当初予定していた調査研究が実施できなかった。「やや遅れている」と評価した所以である。他方、本研究に対して国内外の研究者から助言を得るため、国際会議および国内の研究会で研究成果の一端を発表した。期待以上にたいへん有益な情報を得ることができ、H28年度以降の調査研究に活かすことができそうである。
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Strategy for Future Research Activity |
【移住地訪問】交付申請書類には、平成28年度・同29年度とも、2度ずつ移住地を訪問し、調査を実施すると記していた。しかし、交付金額から、残りの2年間で、最大3度しか、移住地を訪ねることはできそうにない。本研究は実地調査に基づく文化人類学的な調査研究なので、勤務をうまく遣り繰りすることで、できるだけ長く移住地に滞在できるよう努力したい。
【移住者との交流】現在、移住地はインターネット環境が整い、移住者の方と即時に連絡が取れる状況にある。実際に、何人かの移住者の方とはSNSで繋がっており、適宜助言をいただきながら、移住地訪問の折には様々な便宜を図っていただいている。今後もご協力をいただきながら、国内でできる調査研究および訪問調査の準備を進めたい。
【研究成果の発表】研究の質を高める為、同じ分野および近隣諸分野の研究者から適切な助言を得たいと考えている。平成27年度に引き続き、積極的に学会発表や論文発表を行いたい。
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Causes of Carryover |
ボリビアへの渡航費(航空券)が、燃料代のレート変更等により安定しないため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の渡航費に充てる。
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Research Products
(4 results)