2017 Fiscal Year Annual Research Report
The variety of constructional shifts from the diachronic and geographical point of view: Focusing on the formal nouns "Giri/Kiri"
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15K16763
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| Research Institution | Shujitsu University |
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Principal Investigator |
岩田 美穂 就実大学, 人文科学部, 講師 (20734073)
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2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 形式名詞 / ギリ / 九州方言 / 条件表現 / 日本語史 / 文法化 / 愛媛方言 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、形式名詞ギリ・キリを材料とし、その文法化の過程について、地理的・歴史的観点から、同じ形式名詞を由来としていてもその変化の過程には複数のバリエーションがあり得ることを実証的に示すことである。具体的には、Ⅰ中央語のギリの変化、Ⅱギリから発達したとみられる九州西北部に分布する条件形式ギー類、Ⅲ限定の副助詞的に用いられる愛媛方言のギリ、の3点を中心に考察した。本年度は最終年度であり、成果の発表を中心に行った。
Ⅰ、Ⅱについては、①現代九州方言におけるギーの使用状況とその特徴、②近世中央語におけるギリの状況、③近世末期佐賀方言における条件表現の様相、などから、条件形式としてのギーの成立背景について、包括的に論じた。具体的な実績内容は以下の通りである。
発表：「条件表現形式ギーの成立背景についての考察―甑島里方言を中心に―」（第271回筑紫日本語研究会、8月8日）、発表：ブース発表「方言条件形式の多様性―九州方言を中心に―」（日本語学会2017年度秋季大会、2017年11月12日、於金沢大学）、発表：「条件表現形式ギーの成立背景についての考察」（第18回日本語文法学会、2017年12月3日、於筑波大学）、論文：「近世末期佐賀方言資料にみられる条件表現」（『就実表現文化』12、2018年1月31日、査読無し）また、論文「甑島里方言の条件表現」（共著）を執筆し、2018年度中に刊行予定である。
Ⅲについては、面接調査および文献調査を進め、必要なデータを収集した。結果として、当該方言において、ギリは、用法として事物の限定には用いられにくく事態の限定に偏っていること、かつ否定的ニュアンスが極めて強いことが明らかとなった。この考察については、2018年度に発表、論文化の予定である。
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Research Products
(3 results)
