2015 Fiscal Year Research-status Report
フレイジオロジーに基づく現代英語の脱文法化現象解明の記述的研究
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15K16779
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
井上 亜依 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, 総合教育学群, 准教授 (70441889)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | フレイジオロジー / 形成過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、1.現代英語に観察される機能語から成り立つ新しいフレーズの実態の解明、2.新しいフレーズの脱文法化現象への発展順序の解明の2つの研究を並行して行う。平成27年度は、これらの研究のうち1を以下の要領で行った。 ①機能語から成り立つ新しいフレーズの量的調査-フレーズを2語以上から成立ち繰り替えし使用されるものと定義し、これまでに集めたフレーズの使用頻度を現代英語の電子言語資料収集体を用いて調べた。頻度調査を行うことで、フレーズが一時的に使用されたものではないことがわかります。そして歴史的電子言語資料収集体を用いて、そのフレーズがいつごろから使用され始めたかを明確にした。 ②新しいフレーズの意味と文脈での役割解明-電子言語資料収集体から得られたデータをもとに、研究対象としているフレーズの意味と文中での役割を、フレーズと共起する特徴的な単語、文中での位置から解明した。 ③新しいフレーズの形成過程の解析-機能語と機能語から成り立つフレーズは、どのような形成過程を経て作られたものなのかを、語形成の形成過程(派生、省略、混交など)を参照にしながら解析した。そして、なぜ機能語と機能語がくっついて新しいフレーズを形成するのかをも解析した。 このように平成27年度は、現代英語に次々と観察される機能語から成り立つフレーズの実態を上記の方法で解明した。そうすることにより、現代英語の変化をフレーズの観点から捉えた。そして、このような研究成果を国内外の学会で発表を行うと同時に、International Journal of English Linguisticsなどの国内外への学会誌への論文投稿を行い、一定の評価を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請した研究計画書の通りに研究を行うことができ、成果をあげている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、平成27年度に実態を明らかにした新しいフレーズが内容語のように振る舞う脱文法化を生じさせていることを調査し、脱文法化へどのように発展したかを解析しする。また、①新しいフレーズが脱文法化を生じさせているかどうかのテストと②新しいフレーズの脱文法化への発展の順序解明の研究成果を平成27年度と同様に国内外の学会で発表を行い、論文投稿を行うことで、フレイジオロジーと脱文法化の研究発展に貢献することを目的とする。
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Causes of Carryover |
所属機関の性質上、物品購入に時間がかかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
補助金を計画通り使用できるよう時間的余裕をもって使用をする。
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