2016 Fiscal Year Research-status Report
外国人看護・介護人材の職場におけるコミュニケーションの研究
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15K16783
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Research Institution | Akita International University |
Principal Investigator |
嶋 ちはる 国際教養大学, 国際教養学部, 助教 (00707630)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 外国人看護・介護人人材 / 職場でのインターアクション / 申し送り / 職場での異文化適応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、外国人看護・介護人材の職場におけるコミュニケーションの特徴や、職場での日本語習得過程を明らかにすることを目的としている。平成28年度は、主に(1)これまで行ってきた研究についての論文の発表・出版、(2)収録済みのデータの整理・分析、(3)データの収集を行った。
(1)論文の発表・出版:日本人看護師の申し送り場面における頻出語彙や表現、申し送り場面における情報収集に関するインターアクションのパターンやプロセスについて分析した論文等を出版した。 (2)収録済みのデータの整理・分析:過去にEPA看護師として来日し日本で就労していた4人の元インドネシア人看護師候補者に対して行った、インドネシア帰国後のフォローアップ調査について、インタビューの録音データの文字化やフィールドノートの整理を行い、分析用のデータ資料を作成した。現在はこれらのデータ資料をもとに、彼らの帰国後のキャリア構築のプロセスや、キャリア選択の動機についての分析を行っている。また、老健施設で収集した介護職員と利用者のインターアクション、介護職員とその他の職員とのインターアクションについても、録音・録画データの文字化を行い分析用のデータ資料を作成している。 (3)データ収集:老健施設において、介護職員間や介護職員と他職種間のコミュニケーションや、介護職員と利用者のコミュニケーションなど、引き続きインターアクションデータの収集を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は、(1)データの収集、(2)データの整理・分析を行うことを中心課題として計画を立てた。データの収集については、予定していたフィリピンでのフィールドワークが実行できなかった。その理由としては、前年度に予定を上回るデータが収集できたこともあり、そのデータの文字化やデータ整理などにより多くの時間と予算を使用したことが挙げられる。しかしながら、フィリピンでのフィールドワークは実現できなかったものの、分析に向けたデータ資料の整理により多くの時間を割くことができた。また、収集量は少ないながらも、日本でのデータ収集は継続できているため、全体的には平成28年度の計画はおおむね順調に進展していると言えるだろう。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、基本的には新規のデータ収集は行わず、平成28年度までに収集されたデータの整理・分析を中心に進めていく計画である。ただ、平成28年度に収集できなかった、フィリピン人元看護師候補者のフォローアップ調査については、スカイプ等を活用した遠隔法を用いて実施する予定である。具体的には、(1)インドネシア人元看護師候補者の帰国後のキャリア選択とキャリア構築について、(2)日本の病院・老健施設における職員間、職員と利用者(患者)間のコミュニケーションについて、分析を進め、論文の発表、出版を目指す。
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Causes of Carryover |
研究参加者の人数が予定よりも少なかったため、支払う謝金が予定よりも少なくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は次年度に支払う謝金の一部として使用する。
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Research Products
(9 results)