2016 Fiscal Year Research-status Report
英語多読のreplicationを通した効果検証研究
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15K16802
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Research Institution | Dokkyo University |
Principal Investigator |
中西 貴行 獨協大学, 経済学部, 准教授 (10406019)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 英語教育 / 多読 / レプリケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、過去に行われた英語多読研究を「replication」を用いて日本における文脈の中で実験を行い、その結果を比較し、英語多読効果の検証を行うことである。 昨年度は、基礎研究調査文献の収集にかなりの時間を費やした。今年度は、その収集した研究をそれぞれ注意深く読解し、特にCamiciottoli (2001)とRo and Chen (2014)の研究を精査していった。この2つの研究で使用された質問紙も精査した結果、分析方法は、因子分析、回帰分析を行っているため、被験者は200以上が必要となる。Camiciottoli (2001)では、182人のイタリア人大学生、Ro and Chen (2014)では、ESLの62人の大学生を被験者としている。これは非常に少ない。このサンプルサイズの問題は、この研究に限らず英語教育では問題の一つである。この問題をクリアするため、なるべく多くの被験者を集める必要があった。今年度は、被験者を集め、予備実験を実施した。その結果を学会で発表し、他の研究者たちからの有益なフィードバックを得ることができた。このフィードバックからさらなるreplicationを実施することの可能性を探っていきたい。しかし、一つ懸念をあげるとすれば、この予備研究に対してのポジティブな反応と共に、実用面に関しての疑問が挙がった。やはり多読研究というと、語数、冊数などの実用面にかなりの焦点があてられることが多いため、実際に授業での活用について問題点が残った。これは次年度に考察していきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り進展している。今後は、本調査に向けて準備を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は計画通り、「replication」の本調査を実施し、学会発表を行う。このreplicationに関する懸念は、昨年度も記載したが、学会発表をするために提出したアブストラクトに対しても、replicationに対する質問が来た。やはり私の懸念通り、なぜrepliationが必要なのか、なぜ日本の被験者だけを対象とし、分析するだけではだめなのかといった質問が出た。 今後は、それらの問に対する明確な記述を心掛けながら、論文の執筆にとりかかろうと思っている。repliactionというものの珍しさから、査読者が免疫がないためこのような反応となってしまう。論文の先行研究の部分で明確に描写し、私の意図を理解してもらうことが必要だろうと思う。
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Causes of Carryover |
研究は計画通り進んでおります。少額の端数が残り、次年度の使用額が生じました。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の計画通り進めて参ります。
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