2016 Fiscal Year Research-status Report
都市ローマ及び教皇領支配の観点に基づく中世教皇庁研究
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15K16856
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
藤崎 衛 茨城大学, 教育学部, 准教授 (50503869)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 教皇庁 / 教皇領 / ローマ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は13世紀における教皇庁と都市ローマの関係を主な研究対象とした。教皇宮廷が教皇領内を移動する際に作成された教皇庁メンバーに対する給養リスト(1278年)を大きな手掛かりとして、教皇によるモンゴルへの宣教団派遣の調査を進めることができた。また司教や大修道院長など高位聖職者がローマで叙階式に臨む際に俗人を含む教皇庁関連の儀式参加者に贈り物をした慣行についての調査においては、その受領者である都市ローマの俗人や教皇庁役人の構成が徐々に変化し、「脱ローマ化」とでもいうべき傾向を見せるようになった過程を跡付け、かつ教皇庁の移動がその変化に大きな影響を与えていたことを確認することができた。それぞれの研究の成果は国際研究集会において口頭発表し、それらの内容を活字化する方向性も得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属先変更に伴う業務の変更に適応するのに時間を要し、当初想定したほどの研究時間を確保することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
教皇領支配の観点に基づく13世紀教皇庁研究を進展させる。主に教皇文書を用いて教皇領各地に配置された統治官など教皇庁役人に関する史料分析を行う。
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Causes of Carryover |
ドイツ・ミュンヘン大学への出張は先方負担となり、出張旅費が抑制されたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
イタリアでの史料調査を一層充実させるための旅費と文献収集(物品費)に充てる。
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