2015 Fiscal Year Research-status Report
近世フランスにおける修道院の空間構成と社会的役割に関する基礎的研究
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15K16864
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| Research Institution | Musashi University |
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Principal Investigator |
坂野 正則 武蔵大学, 人文学部, 准教授 (90613406)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 近世修道会 / サン＝モル修族 / 都市空間と修道院 / 空間と社会 / 国際的人脈と地域 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度である平成27年度については、「空間」的アプローチに関する海外史料調査とフランス人研究者との面会を実現できたことが主要な研究成果である。
まず史料調査については、フランス国立公文書館において、17－18世紀のサン＝モル宗族とよばれる修道会改革運動に従事した修道士の名簿を見出した。これは、パリと地方との関係、地方社会における修道士の役割を考察する基礎的な史料として活用することが期待できる。とりわけ近世については、相対的に18世紀の史料が多いことも今年度の海外調査で確認できたため、次年度以降の研究計画に活かしていきたい。つぎに、「空間」を考察するのに必要不可欠な史料体が、修道院に関連する地図類である。今年度はその所在を確認し、一部を入手することができた。文献史料と合わせて、今後の研究においてどのような視座からの活用が可能か考察していかなければならない。
さらに海外史料調査の期間中に、近世ヨーロッパ宗教史専攻の研究者との面会を実施することができた。とくに、現在フランスで進行中の近世修道会に関する最新の研究動向に関して多くの知見を得ることができた。フランス国内のみならず、国際的なネットワークの視点から研究を進めている研究者を紹介してもらうこともできた。そのため本研究においても、国際的次元での修道会の活動を視野に入れつつ研究計画を改善していきたい。
海外調査以外には、研究文献や資料の購入と分析もほぼ予定通り遂行できた。最後に、研究補助を目的とする電子機器類の整備などの基礎的な研究環境を整えることができたことも付言しておきたい。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の「研究目的」として計画していた史料調査については、ほぼ計画通りに進めることができた。ただし、1回分の海外出張を延期したため、ラングドック地方においての研究者との意見交換は今年度は実現できなかった。次年度は、当該地方での史料調査も検討しているため、その機会を活用してこの部分については補填したい。
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| Strategy for Future Research Activity |
初年度に引き続き、次年度もフランスでの海外調査が主要な研究活動となる。とくに、初年度に獲得した国際的視野から近世修道院を検討するという知見を活かすように、史料の対象を拡大したい。一つは、パリにおけるブリテン諸島出身の修道士の活動に関する史料調査とラングドック地方とイベリア半島との地理的近接性を考慮したスペインとの関係を示す史料の渉猟に専念したい。研究計画の大幅な変更は検討していない。
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| Causes of Carryover |
27年度の他の研究事業で渡仏した際に、二回目の史料調査を行い、科研費研究部分の旅費（滞在費）とする計画であったが、2015年11月のフランスにおけるテロ事件、2016年3月のベルギーにおけるテロ事件により出張そのものが延期されたため。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
当該地域の安全に十分留意しつつ、夏の調査出張で使用予定。
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