2017 Fiscal Year Research-status Report
墳墓構造の変遷からみた朝鮮半島青銅器時代社会の複雑化に対する研究
Project/Area Number |
15K16869
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
平郡 達哉 島根大学, 法文学部, 准教授 (60709145)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 朝鮮半島 / 青銅器時代 / 社会 / 複雑化 / 墳墓構造 / 出土遺物 / 副葬 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は墳墓・墓地構造、副葬遺物といった墓制と関連した考古資料に対する分析を通して、朝鮮半島青銅器時代社会の複雑化過程のモデルを構築・説明することを目的とする。 4年計画の3年目にあたる平成29年度は計2回の海外調査を実施した。6月に国立全州博物館・光州博物館にて研究関連資料の見学ならびに周辺地域で関連遺跡の踏査、9月に清州博物館にて研究関連資料の見学ならびに周辺地域での関連遺跡を踏査した後、仁川広域市へ移動し関連遺跡の踏査を実施した。 また、日本国内の博物館(大阪歴史博物館)で研究と関連した特別展示があったため、国内での資料見学も1回実施した。 本研究と関連して、これまでの調査・研究の成果を取り入れ、青銅器時代の墳墓から出土する遺物の種類とその性格、さらに地域的特徴についてまとめた論考(平郡達哉2017「第3章 墳墓出土遺物と地域別特徴」『青銅器時代の考古学4 墳墓と儀礼』韓国考古環境研究所学術叢書12、2017年6月)が韓国で刊行された。2018年1月には韓国の慶北大学校にて本研究と関連した発表を行った(平郡達哉「墳墓と儀礼」『海外研究者がみた韓半島の青銅器時代』慶北大学校COREプログラム、2018年1月、韓国慶北大学校)。 そして、本研究の内容と関連した韓国語論文を翻訳した(裵真晟「清川江以南地域における無文土器時代墳墓の出現について」『社会文化論集』第14号、2018年3月)。 以上のように、現地調査を基に持続的な情報・資料収集を行いつつ、近年の発掘調査成果についての新たなデータを補完するとともに論考を発表しており、研究の進捗状況はおおむね順調である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年2回の現地調査を実施することができ、関連踏査・出土遺物の調査を予定通り遂行できた。 現地調査の際に現地の研究者から得た情報を基に、近年の発掘調査成果についての新たなデータを補完し、青銅器時代墓制資料のデータ集成・入力を続けている。これを基に朝鮮半島青銅器時代墳墓遺跡一覧表と資料調査希望遺物目録を作成しており、研究の進捗はおおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に沿って調査・研究を進めていく。 これまでどおり青銅器時代墳墓遺跡の踏査と墳墓出土遺物の実見・実測調査を行う。平成30年度は慶尚道地域および全羅道地域での遺跡踏査・出土遺物の調査を行う。その際に青銅器時代墳墓遺跡に対する発掘調査現場があれば見学を行い、墳墓構造把握のための基礎情報収集にも留意する。 研究期間も最終年度に入ったため、調査成果の文章化を積極的にすすめ研究報告書としてまとめる。
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