2018 Fiscal Year Annual Research Report
An Empirical Study on Overlapping boundaries of Popular History in Asia
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15K16876
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| Research Institution | Josai University |
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Principal Investigator |
石井 龍太 城西大学, 経営学部, 准教授 (00712655)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 考古学 / 近世史 / 近代史 / 集落 / 屋敷跡 / 琉球諸島 / 豚小屋 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は奄美諸島・琉球諸島を具体的な対象とし、考古学をはじめとする学際的研究手法を用いて、近世・近代アジアの民衆史を地理的、歴史的、社会的な「多重境界性」という視点から追及し、新たな歴史像を提起することを目的とする。
最終年度の4,5月には、これまで代表者らの調査チームにとって未調査地域であった宮古地域を対象とし、宮古島北部に位置する狩俣集落にて調査を実施した。かつて囲壁されていたとされる狩俣集落の東北部に、壁の残存部の可能性を秘めた土塁が確認されたため、将来の発掘に備え、全体の測量調査を実施した。また周辺地域の踏査や遺物の表採も実施したところ、年代は概ね15世紀から現代までの存続期間が明らかとなり、古文献に記された年代に比してやや新しいものの、中近世期の集落を知るための調査地としては良好であると期待された。
8月には、奄美諸島に位置する沖永良部島において豚小屋調査を実施した。これまでの調査で、奄美大島、徳之島の豚小屋は琉球諸島と異なることが確認されたが、より沖縄諸島に近いこの地域は未調査であった。沖縄と奄美両者の地理的境界性を帯びた地域と期待されたが、豚飼育施設は木造で聖地化等はされず、沖縄諸島以南よりも奄美諸島との近縁性が確認される結果となった。古文献によればマキと呼ばれる小屋を設けるもののブタは放し飼いであり、明治15年ごろまで続いたという。また住居後方に石垣を積み屋根をかぶせた豚小屋を設け、人間は便所としても用いブタに食べさせる風習が昭和初期まで残っていたとの記述も見られる。
年度後半には調査成果のとりまとめとアウトリーチ活動を実施した。特に2月に沖縄県立博物館・美術館にて実施した成果公開展示「考古学から見た「近世琉球」」では、これまでの調査成果と共に狩俣集落や底川村跡といった本調査計画の中で発掘を実施した集落の調査成果を展示し、連日ギャラリートークを実施した。
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